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センチュリープラザ、 駅前広場((C)by松村芳治)
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ここからは、 ウッディタウンの北の方にあるセンチュリープラザという広場と小規模商業施設ゾーンについてです。 交通系の仕事をされている方はこの広場をご存知かも知れませんが、 複断面の駅前広場で、 関西でこのスタイルをとっている広場はおそらくここだけでしょう。 1ヘクタールもある広大な広さで、 見ようによっては非常に立派な駅前広場です。
この駅前広場を中心に最小限の商業施設が欲しいということから、 商業施設などの配置と周辺の景観デザインをさせてもらうことになりました。
商業施設についてはいくつかの候補があったのですが、 その中から僕は最初からこの辺では焼き肉屋とコンビニしか成り立たないだろうと考えていました。 2店については僕が内装も手がけています。 今、 営業している店の様子を聞いてみると、 案の定焼き肉屋とコンビニしか儲かっていないようです。
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センチュリープラザ、 商業施設((C)by松村芳治)
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お店のボリュームから言うと小さくてもよかったのですが、 それでは広場のスケールに負けてしまうので、 サイコロを並べたような配置にしてみました。 公団の人に説明をするときには「8つの地区のまちづくりを公団はやっているので、 8つのサイコロを並べてみました」と適当なことをいったんですが、 みなさんニヤッと笑って聞き流してくれました。
また、 場に緊張感を与えるために、 中央に見えるオブジェを置いています。 これは僕の好きな彫刻家の吉田さんにイメージを伝えて作ってもらったものです。 この中には照明が内蔵されていて、 足元がぽっと明るくなるようにしています。 オブジェ兼照明器具になるよう作ってみました。
8軒のうち一番端はコンビニで、 あとはATMやクリーニング、 うどん屋、 コーヒーショップが入っています。 一番奥は地元のヤマガキという焼き肉屋さんです。 先ほども言いましたように、 端と端のお店以外はしんどいだろうなと思ったのですが、 やはり焼き肉とコンビニ以外はしんどい経営になっているようです。
ところで、 この商業施設を作るときの議論に、 アーケードのようなものを作りたいという話もあったのですが、 僕は「ここはそのようなアクティビティが発生する場所でもないでしょう」と断固はねつけたんです。 オープン後、 そのことに対する苦情は出ないので、 これでよかったと思っています。
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センチュリープラザ、 駅前施設の夜景((C)by松村芳治)
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8つのお店の隣りには公団の総合案内所が入っている建物もあります。 これは暫定施設で7〜8年目には潰してもおかしくないような事業構造になっていて、 街がもっと成熟してくると、 もっと大きな施設をもってこようという計画になっていました。 ところが、 潰すのはもったいない、 何とか利用できないかという声も出ています。 しかし、 テナント側は5年契約なので、 みんな不安がっています。 時代状況に対応して継続して経営をするのは公団の苦手とするところで、 まだまだうまくいかない部分があるようです。
僕はパブリックスペースにおいては「見る・見られる」の関係が大事だと考えておりますので、 総合案内所の建物は全面ガラス張りにしています。 三田は冬の寒さがきついところなので、 バス待ちをしているときに、 建物の中にある温かそうなスペースに入って待とうという気になるようにしたわけです。
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センチュリープラザ、 駐車場側から見た光景(1)((C)by松村芳治)
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この広場でも駐車場から広場へのアプローチに工夫しました。 というのも「広場の裏」というイメージではなく、 それなりに「顔」に見せないといけないからです。 公団の人からも裏になりそうな部分を「どのようにデザインするのか楽しみだったんだ」と後で言われました。
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センチュリープラザ、 駐車場から見た光景(2)((C)by松村芳治)
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駐車場とサービス用の搬入道路部分です。 実際に見ても、 あまり裏側になっているという感じはしません。
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センチュリープラザ、 駐車場から見た夜景((C)by松村芳治)
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またレストランにもガラスブロックをあちらこちらに使って、 夜間に駐車場側から来ても、 明かりが見えて「ああ営業しているな」というのが分かるようにしています。
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ウッディタウンの初期計画
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30歳位の頃に、 この辺一帯の基本計画を担当する機会が有ったのですが、 その地区が実際にはどうなったか、 ということについて少しお話ししたいと思います。
写真は30歳ぐらいの頃に描いたセンターの基本計画です。 実際にどうなったかと言うと、 池の部分はそのままできています。 池のほとりにはセレモニーセンターを作る計画でしたが、 その部分はホテルに変わり、 ホテルに予定されていた場所は今住宅地になっています。
駅前広場は計画の場所を反転させて、 今の場所になっています。 ブリッジ部分は縮小されました。
ホテルが池のほとりに変更になったので、 新阪急ホテルの社長に喜ばれました。 ホテルから見ると、 池も全部ホテルのもののように見えるんです。 なかなか池をうまく利用していただいていると思っています。
また、 センチュリーモールのブリッジはスロープと階段を組み合わせたような形式を計画していたのですが、 実際には出来ていません。
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センチュリーパーク全貌
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今は徐々に街は出来つつありますが、 住宅がけっこう立ち上がっている割には大規模な敷地はまだガラガラです。 その辺は難しい話ですが、 公団プロジェクトではセンター地区に大きな未利用地がかなりあるようです。 近鉄高の原駅のセンター地区、 トリベールいずみの和泉中央駅周辺など、 なかなか事業が決まらないようです。
センター計画は時代に左右されるから難しいのですが、 意思決定が早くないとディベロッパーはどんどん逃げ出してしまいます。 関西学研都市の某センターは僕も関わっていますが、 3年位前にはかなり大きな計画でも2つの事業者が事業に名のりをあげる所まで来ていたのに、 公団側の意思決定が出来ないうちに「やはり、 やめておく」という話になってしまいました。 タイミングを失したということです。
それと「何年か先にこうなったらいいな」という話の段階では、 (狭い道をこう入れるなど)あまり細かい計画を決めることが出来にくいんですね。 従って大宅地で置いておくわけですが、 そこを買ってくれる事業者が今はほとんどいないので、 宅地を細かく割っていく状況になっています。 事業主体が売りやすいように宅地を細分化したいのは理解できるのですが、 受け入れ先の自治体は「マスタープランは決めていたはずだ」と変更を認めにくい体質があります。 これからは、 プランを見直すことが必要になってくると思いますので、 頭を柔らかくして変更を受け入れられるシステムを取り入れなくてはならないと思います。
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街の骨格
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ウッディタウンの、 センチュリープラザ付近の20年位前のスタディです。
当時からいろんな骨格案を作っていました。 どんな事業者が入ってくるか分からないので、 バス停の位置とか街区の取り方などのいろんなパターンを想定していました。 検討材料のひとつです。
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都市デザインのガイドライン
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色彩、 緑地の取り方について
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これは「都市デザインのガイドラインを作ってくれ」という依頼を受け作ったものです。 ただ一度決めた事柄が事業者の足かせになってはいけないと思ったので、 足かせにならず今出来つつある魅力的な街の蓄積を生かすデザインガイドラインを心がけました。 通りと街のポイントを整理する考え方で、 あまり細かいことを言わず、 趣旨を伝えるようにしています。
デザインガイドを作るのは良いのですが、 規制がきついというイメージだとマーケットに逃げられる危険性があります。 今、 土地はたくさん余っていて、 マーケット側が選べる状況ですから、 「なるほど、 ウッディタウンに進出してみたい」と思われるようにしたい。 マーケットにスムーズに受け入れられるガイドラインにするために、 10分も読めば設計者の考えていることが分かるように工夫しました。 三田市の了解はほぼ出ているのですが、 正式な返事を待っている段階です。
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