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7。 事例3
丘陵田園地域における新都市開発計画

 

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大阪都市圏のニュータウン開発動向
 宝塚新都市の計画で私が計画策定に入る前に問題にしたのは、 大阪の周辺や一部三田等も含めて1970年から95年くらいまで人口増加率がどうなっているかという点でした。

 そうすると標高の高い市町村の人口増加率が高いという結果が出てきたんです。 標高と人口動態という分析は今まであまりなされていません。 市街地の外延的拡大は認識されていますが、 だんだん急傾斜地のほうへ移行していることがこれではっきりと分かりました。

 昭和30年代は千里ニュータウン・泉北ニュータウンが開発されたのですが、 これはいわゆる大阪層群という丘陵地での開発です。 ここでは大きな機械力をつかわなくても宅地造成ができたわけです。 ところが最近手をつけられているのは、 もっと奥の急傾斜地で、 地質の固い丹波層群や有馬層群のようなエリアです。 茨木の国際文化公園都市、 水と緑の健康都市、 宝塚新都市などがそうです。

 そこで私は、 こういう地盤の固い急傾斜地で同じ手法でまちづくりを行っている事が解せない、 問題だと思ったわけです。 何か実態と違うところで議論しているふしがあって、 少し残念だと思っています。

 宝塚新都市計画は兵庫県の仕事ですので、 県と共同作業で進めていったわけですが、 平成元年から基本構想がはじまり、 平成2年から4年に基本計画、 そのあと土地の自然的環境、 物理的環境も含めて総合評価して、 保全と開発のランキング分けをし、 ゾーニングをしています。 地域だけで4500ha、 13のクラスターからなる1500haという非常に広いエリアですので、 やはりランドスケープという視点が非常に重要です。 骨格となるものをきちんと分析・評価する必要があります。 その後もいろんな調査がされ、 震災後一時中断しましたが、 最近またいろんな調査がされています。

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ランドスケープ調査および計画による地域の文脈の把握と継承
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宝塚新都市造成計画案(平成4年)
 本計画で重要な点は、 千里・泉北のような平坦地の多い開発をしようとすると地形を大幅にいじり土工量が大規模に発生してしまい、 また谷間や山麓の集落との連続性がなくなってしまうということです。 その辺をどのように解決するかが大きな課題でした。

 基本的には集落の背景になっている里山やランドマークになっている高い山、 あるいは地区外でも大船山といった三田の山などを目印にいろんなことを考えていこうということになりました。

 そういった議論の結果、 たとえば基本計画の時の図面をみますと、 自然環境などの要素を以前よりは気にしながらつくっていることが分かります。

 またこの計画では、 地域の歴史的資源や文化的資源、 地名や細い地形の変化などにも気をつかいながらまちづくり計画を策定しました。

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