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京都駅(モンタージュ)
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京都を、 ケーススタディーのフィールドとして選んだ2001年ゼミのプレセッションにおける狙いは、 京都という歴史的都市における「緑としての建築」の可能性と問題点を論ずることである。 京都もまた、 現代の大都市に共通の多くの都市環境問題を抱えている。 特に大規模マンション等の「環境収奪型」(注1)の開発の進行による環境破壊は、 京都と言う都市のアイデンティティーそのものに関わる問題となっている。 その解決のためには、 都市構成要素のあり方を「環境内化型」に転換するという考え方が不可欠であると思われる。
環境内化型を志向する「緑としての建築」は、 少なくとも京都をはじめとする都市が抱えている、 「物理的」「生態的」「社会的」環境問題の多くを解きうる解であると期待することが出来る。
無論景観問題に限定しても、 「緑」はオールマイティーではないことは言うまでもなく、 したがって「緑」は免罪符ではないことは当然のことである。 また緑の維持管理等、 直ちには解き難い問題が多くあることも確かである。 しかし、 「緑」および「緑が連れてくる」様々な自然的要素に、 我々が求めている都市空間の豊かさ、 快適さ、 美しさを期待すると言う点において、 唯一可能な解であるとも考えられた。
ワークショップを通じて、 都市景観における「緑」と言う視点が、 京都という街のデザインを考える時に、 どの様に評価されるのかを議論することが、 重要であると認識された。 歴史的都市を巡る「伝統」と「モダン」、 という2項対立に対して、 「緑」と言う第3の可能性がありうるか、 という事がここで提起された問題である。
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柳馬場通(モンタージュ)
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cnマンションより(モンタージュ)
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そのような議論の対象を提供するために、 現在の京都の市街地の風景に「緑」と言う要素を「建築のあり方として」付加すると、 どの様な景観となるかと言う幾つかのシミュレーション・スタディーがなされた。
そして、 それらをベースとした議論の中から、 単に従来型の(環境収奪型の)建築を「緑」で被覆しても、 おそらく根本的問題解決とはならず、 京都という立地に即した非環境収奪型の建築形態、 「緑を内化し易い」環境内化型の建築形態、 さらには京都の町並みとして受け入れられる緑のあり方等、 本来的意味での「緑としての建築の京都モデル」を構築する必要があるという、 当然と言えば当然の結論に達することとなった。
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