大阪における集合住宅形成史
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6 最近の集合住宅の傾向とまとめ

 

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図44a 人気投票第1位
 集合住宅に住む人たちの調査をつい最近したのですが、 その中で「自分の住む集合住宅の外観が気に入っていますか」という質問をしました。

 今お見せしているのはその結果です。 図44aの建物が人気第1位で、 分節化されて植栽のある集合住宅です。 なんだか『すまいりんぐ』や『優良建築物』のパンフレットのようですね。

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図44b 人気投票第2位
 図44bが人気第2位の集合住宅です。 前面後退すると上部が斜線制限を受けなくてすむようになったせいか、 このように建物の上の方に飾りを付けた建物が最近多くなっています。 ここも前面後退して、 公開空地は木が植えられた緑地になっています。

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図45a 人気投票第3位(左)
 図45aが人気投票第3位の建物です。 ここも前面後退して、 公開空地が緑地になっています。

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図45b 人気投票第4位(右)
 図45bは人気投票第4位なのですが、 こうして見るとなぜ上位にランクされたのか分かりません。 ワンルームマンションですが、 居住者の人は気に入っています。

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図46 第6位
 6位ぐらいになってやっと登場するのが、 1970年代以前に建てられた島之内の集合住宅です。 中に入ってみると若い人が入居していました。

 1970年代前後に建てられた集合住宅を歩いてみると、 島之内あたりは老人が多いのですが、 島之内、 西区の一部の集合住宅は若い人たちに人気があります。 どうも「マンションらしくない」点が人気を集めているようで、 オフィスビル的な建物を見つけては、 入居する傾向にあるようです。

 このように見てくると、 1位のいかにも「今どきのマンション」タイプばかりが人気を集めているのではなく、 オフィスビルのような市街地らしい建物も好まれていることが分かります。 特に、 そこを仕事場にしたり、 仕事をしながら住んでいる人たちは、 自分の仕事へのイメージも考えて「良い建物に住みたい」傾向にあるようです。 今、 昔の併存住宅には建築、 デザイン関係の人たちが随分入居していますが、 ひとつのステータス的な物として選ばれたようです。

 そういった若い人たちの嗜好を見るにつけ考えてしまうのは、 今建てられつつある集合住宅はそのような視点に将来応えられるのかということです。 併存住宅や1970年以前の集合住宅で工夫されていた様々な要素、 中庭や屋内階段など建築物が主張できるような要素をこれからの集合住宅も考えていかねばならないと思います。

 また、 これからの集合住宅のカギになるのは、 管理のあり方です。 共用空間が多い集合住宅はこれからも増えるでしょうが、 オーナーマンションや管理人がいるマンションでお分かりのように、 綺麗に使っておられる所は全て管理が行き届いています。 管理をしないと、 どんな綺麗な建物を作ってもすぐボロボロになってしまいます。 管理人という言葉を使いましたが、 要はその建物を愛する人がいるかどうかが建物の命運を決めるのです。

 建物を大事にする人がいることがその建物を良くするし、 その集積が大阪の市街地の魅力づくりにつながっていくのだと思います。

 以上で、 私の報告を終わります。

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