犯罪防止に都市環境デザインはどう貢献できるか
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2. 大阪の犯罪状況

 

ひったくり
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全国のひったくり
 大阪では二日とあけずにひったくり犯がつかまったという報道がされていますが、 全国のひったくり4万6064件(平成12年)のうち、 なんと23.8%(1万973件)が大阪府下で起きています。 全国のひったくり事件の四分の一は大阪府下で起きているわけで、 残念ながら25年連続で日本一(ワースト1)という記録です。

 今年(平成13年)1月〜11月にはすでに9700件のひったくりが発生しており、 おそらく今年も1万件をこえ、 1万500件ぐらいになると予想されています。 先ほども言ったように、 その約75%は少年による犯行です。

自動車盗の現状
 自動車盗は平成12年に大阪府下では1万593件発生しています。 これは全国件数の18.8%を占めていて、 またしても日本一(ワースト1)の数字です。 しかもこの数字のうち6割は、 ちゃんとキーをかけていたにもかかわらず盗られたということです。 1997年から99年までは7000件台だったのが、 2000年には1万件を超してひったくりに近い件数となりました。 残念ながら、 自動車盗も18年連続日本一(ワースト1)です。

 実は自動車盗よりもっと数が多いのが、 オートバイ盗や自転車盗で、 オートバイ盗は自動車盗の4倍、 自転車盗は7倍にも上ります。

強盗事件
 かつては強盗のような凶悪犯罪は東京が一番多かったのですが、 平成13年の9月にとうとう大阪がトップになってしまいました。 昨年同期に比べると6割増えて713件、 1〜11月では870件になりました。 金融や路上狙いの強盗事件が相次いでいます。 しかも28.6%(昨年1年間では40.3%)と低い検挙率です。

ひったくり、 自動車盗、 強盗に共通すること
 大阪府警ではひったくり、 自動車盗、 強盗を最重要課題として捜査・防犯活動をしています。 これら3つの犯罪で共通するのは、 いずれも路上のような公共空間で起きていることです。

 一体大阪のどのような地区でひったくりが起きているのかを大阪府警の資料で見てみると、 東大阪の布施、 八尾、 堺東が前年からの増加率、 絶対件数ともにひったくりが多い地区になっています。 大阪市内では南区、 阿倍野区、 平野区が多い地区です。 これは警察署単位で調べた数字です。

 また照明学会でひったくりと照明との関係を検討した時の資料をみると、 人口に比べひったくりの件数が多かったのは、 大阪市内では西区、 北区、 中央区、 天王寺区、 浪速区という結果でした。

 薄暗いからひったくりが発生しやすいとは単純には言えませんが、 これらの地区の照明はどんなだったかを次に報告します。

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