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JUDI公共空間利用実態調査を終えて

 

行政の変化

 他にも6事例ほど調査をしておりますが、 今日は面白い所だけをご紹介しました。

 この公共空間利用実態調査を終えて私が感じたのは、 行政の対応が黙認、 あるいは事務局として運営に参加しているというかたちで、 かなり積極的に利用を是認する方向に変わってきているのではないかということでした。

 事例の場合、 行政には二つの顔がありました。 一つはイベントなどの場合にその「主体」の一部として入っていく行政です。

 多くはその事務局として道路の占用・使用許可などの申請書類を書くなど、 許認可の事務手続きを代行しています。 これは一般市民がやろうと思うと大変ですが、 そういう煩雑なところを行政がやってくれるので非常に助かっているという感じです。

 今回の調査事例の事務局や窓口をご紹介しますと、 「御堂筋オープンテラス」は大阪市中央区役所区民室という市民に近い部署、 「神戸ルミナリエ」は神戸市産業振興局観光交流課、 「京都まちなかを歩く日」は京都市企画部都市づくり推進課という都市計画関係部署、 「加古川レガッタ」は加古川市教育委員会教育指導部スポーツ振興室といった部署が積極的に運営主体側に関与していました。

 それから柔軟にやられているのがOCATの管理をしている(株)湊町開発センターですが、 こちらにも第3セクターということで大阪市の職員が出向しています。

 しかし、 行政のもう一方の顔として「管理者」としての顔があります。

 道路管理者(国・府県・市)、 河川管理者(国・府県)、 公園(国・府県・市)、 食品衛生管理者(保健所)、 公安(警察)などがあり、 それぞれの職務上、 管理についてはかなり厳しい部分があります。 これらの中では公園関係がよくイベントに使われることもあって割と柔軟なようです。


管理を緩めるための仕組みづくり

 今後の課題として、 私は、 警察など各管理者が納得できる形で法の運用をもう少し緩くするような仕組みづくりが必要なのではないかと思います。

 例えば、 オープンテラスやオープンカフェといったものは、 先の御堂筋の例でも、 あくまでも道路の付属物の一つであって、 歩行者休憩施設であるという位置付けになっています。

 そのため、 飲食サービスは不可ですし、 歩道自体を休憩施設にしてしまうと歩道が機能しなくなるので、 道路の方で交通量に余裕のある場合に緩行車線などを一時的に利用させるという不自然な形でしか実施できていない現状があります。

 ところが、 パリでは、 道路幅員2.4m以上なら1/3くらいまでは仮設的あるいは常設的なものに利用して良いという制度になっています。 ただし、 歩道幅員2.2m以下の場合は不可であり、 きちんと道の機能を満たした上でカフェの営業を許可するという仕組みを作っています。

 また、 パリでは、 許可するかわりに使用料も取っていて、 概算で1,000円/m²・年から、 シャンゼリゼ通りなどの一等地では3.5万円/m²・年くらいの料金だそうです。

 こういった制度を日本でもつくっていく必要があるのかもしれません。

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