葛藤の都市環境デザイン
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建築・都市デザインをめぐる葛藤と格闘

元(株)大林組設計本部・現大阪大学大学院 林田大作

 

林田

 私は大学の建築学科を出てから2年前まであるゼネコンの設計部に勤めておりました。 そこで経験してきた、 自分が携わったプロジェクトを中心に、 一ゼネコンマンとしてどのようにものづくりに関わってきたかをできるだけわかりやすくお話ししようと思います。

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建築行為の流れ
 まず、 建築行為には「発意→企画→計画→設計→施工→使用」という流れがあります。 ゼネコンはそのうちの企画から施工までを担当しています。 またゼネコンの中にも「開発」「設計」「施工」等の部門があり、 それらが協調してプロジェクトを進めています。

 ゼネコンというと、 クレーンでガンガンものを作っていると思われがちですが、 当たっている反面、 当たっていない部分もあります。

 実は建築設計というものは、 確信もなく最後のスイッチを押しているわけではなく、 「可能な限りの検討を加えて確信を持ちながらものをつくる」ことを前提としなければ、 やっていられない世界なのです。

 しかし、 では具体的にその確信とは何なのかと言われると、 それは個別の問題でしか答えられない事ですので、 そのためにも今日はプロジェクトを沢山ご紹介したいと思っています。

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ゼネコンを取り巻く人々
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担当プロジェクトのフェイズ
 その前にゼネコンを取り巻く人々として、 まず「施主(顧客)」がいて、 最後に「使う人」がいます。 もちろんゼネコンが建築行為の中心にいるわけではなく、 社会現象も含め、 「サブコン」「コンサルタント」「プランナー」等が一体となってプロジェクトを動かしているのです。

 さて、 私が担当したプロジェクトのフェイズを押さえておきたくて、 こんな図を作ってみました。

 先程の「発意→企画→計画→設計→施工→使用」という流れの中で、 いわゆる川下、 つまり終わりの方に施工物件として携わったものや、 前の方(川上)のコンセプトワーキングのあたりで関ったもの、 それから計画段階から設計・施工まで関ったものや、 使用しながら再デザインするという「リニューアル」に関わったもの等があります。

 それから、 「今日のまとめと今後」という事で、 次の5つのポイントを挙げたいと思っています。 これらがこれからご紹介する5物件の中にちりばめられていると思って下さい。

     
     (1)建築・都市デザインを成立させているもの
     (2)建築・都市デザインの「葛藤」のありか
     (3)建築・都市デザイナーの感覚・視点
     (4)建築・都市デザインの「確信」について
     (5)建築・都市計画論の必要性
 
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