京都は再生するか〜百年後の水と緑をデザインする
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これからの京都の課題

 

街区と街区を分節する環境構造

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現在の京都・亀甲屋町
 これは今の京都の姿です。 これは高倉通の亀甲屋町の一角です。 こういう形で南北方向にスリットがあいていたわけです。

 そういった構造が崩れてきて、 今や東西方向に長い建物が風の流れを遮ったり、 日陰をつくりだしたりしています。 それをもう一度かつてのまちが持っていたようなあり方にどうやったら戻していけるのかを考えることが課題になっていると思います。

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白川の新橋
 しかし街区内部のあり方だけで、 京都という都市の環境問題が解決するわけではありません。 これは白川の新橋ですが、 このように街区と街区を分節していくもう少しスケールの大きな水なり緑といった環境構造が必要です。 個々の街区のなか、 あるいは個々の建物のあり方を考え、 その集積としての街区のあり方を考えたうえで、 そういった街区を全体の中に位置づけていく地域の骨格としての環境構造も考えていかねばならないのは当然です。


大きなスケールの水と緑

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鴨川
 さらにそういったまちとまちを分節していくような、 もっと大きなスケールの水と緑も考えていかねばなりません。 日本の市街地のように平面的に広がってしまったまちを、 もう1回コンパクトなまちにしていって、 そういったコンパクトなまちとまちの間を分節していくような水と緑を復活していくということも大きな課題であると思います。

 したがってこういった大きなスケールの水と緑、 あるいはまちの中の環境骨格としての水と緑、 あるいは街区の中の水と緑、 あるいは個々の建物の中の水と緑を総合して、 これからの都市環境問題を解いていかなければならないと思います。

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環境骨格のイメージ
 例えば今の碁盤の目のまちの中に、 ある種の環境骨格をつくりだしていくということが必要になってくるのではないか。 そういうことを考えていくのが、 これからの京都の課題だろうと思います。

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クラスター化のイメージ
 例えば一つの区を一つのまちとして考えれば、 こういったまちとまちを分節していくような非都市的な環境構造を考えて、 今の京都のべったりと繋がったまちから、 もう1回コンパクトなまちの集合体に、 構造変換していくことが、 これからの課題になってくるんじゃないか。 それがどういう土地利用で、 どういう手段で、 どういう過程を経てつくっていけるのかが、 これからの大きな課題ではないかと思います。

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