京都は再生するか〜百年後の水と緑をデザインする
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モンスーンアジアの市街地モデルへ

 

 これからの京都、 これからの市街地の形態がどういう姿であったらいいかについて問題を提起してきたわけです。

 この数年ぐらいの動きを見ていますと、 例えば昨年、 日本建築学会の京都都市景観特別研究委員会では、 「都市機構形成の視点から見た地形土地利用計画と景観」というテーマで、 京都工芸繊維大の芝池先生とか神戸大の森山先生が、 京都のまちのあり方、 市街地のあり方について提言をされています。 その中で風を取り入れるべきだとか、 あるいは屋上緑化をうまく使って行くべきだという提言をされています。

 あるいは今年の『新建築』の8月号には、 東京工大の梅干野先生のグループがフィリピンのマニラのケーススタディとして、 低層の風通しの良い建物群と、 それを屋上緑化していくことによって、 これからの市街地のあり方をつくっていくというプロジェクトが掲載されています。

 さらに今月のはじめですが、 環境省のプレスリリースのなかで、 「ヒートアイランド対策手法調査について」という早稲田大学の尾島先生を座長とする検討委員会のレポートが出ておりました。 そのなかでやはり屋上緑化がこれからの市街地を考えていくために、 大事なキーポイントになっていくんじゃないかとされています。 あるいはその都市の中にいかに風を取り入れていくかが大事であるということが述べられていました。

 こういった最近の動きを見ていきますと、 だんだんモンスーンアジアの市街地のあり方のプロトタイプが姿を見せ始めてきたのではないかと今わたしは考えています。 そういったものを踏まえながら、 これからの京都のまちを考えていくことが、 京都だけではなく、 モンスーンアジアの21世紀のまちのあり方を考える時に大事になってくるのではないかと考えています。

 今までの20世紀型の都市モデルが持っていた色々な矛盾点を、 これから解決することが求められているわけです。 そのための一つのキイとして、 今日お話ししたことが、 だんだん共有されていく時代になっていくんじゃないかと考えています。

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