USJを活用したテーマパーク型大阪まちづくりの可能性
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パーク周辺エリアの都市整備方針と開発動向

 

都市整備方針と基盤整備

 このエリアの区画整理面積は、 全体で156haになります。 平成18年度までを目処とした事業だと聞いております。

 また、 このエリアには「地区計画」をかけており、 USJを核にして北側には映像や音響関連の先端企業を誘致する50haの業務ゾーン、 安治川沿いにはホテル、 商業施設の集積を図る交流拠点ゾーンを作り上げる事業計画になっています。 駅周辺は複合ゾーンを予定しており、 住宅のほか回遊できる歩行空間を設ける予定です。

 以上がパーク周辺エリアの開発方針の大きな柱です。

 今、 駅はユニバーサルシティという名前ですが、 その駅前に広がるまちの開発は、 事業コンペの形で行われています。 一期工事は完成して、 57店舗からなる長さ250mの「シティウォーク」という商業空間ができました。

 先端情報や通信映像企業の集積は、 NTT西日本と毎日放送の2社にとどまっています。

 区画整理そのものはまだ事業が続いている最中ですが、 残っている用地についてこの夏頃より事業コンペを行って開発を行う会社を探そうとしています。


周辺の開発動向

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周辺の航空写真(USJの工事中時点)
 USJ南の安治川沿いはまだ基盤整備中で、 商業施設系を誘致していく予定です。 それ以外の周辺はまだ、 重工業などの工業地帯です。

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シティウォーク
 完成したシティウォークです。 ここは住友商事さんが開発しました。 住友商事は東京ディズニーランドの前でも、 このような商業空間を開発された実績があります。 ウルフギャング・カフェ、 パパ・ガンプなど日本では初めて出店したというレストランなどもけっこうあります。

 ここでは地区計画で決められた歩道空間を実現していて、 写真の手前部分に交流広場を設けています。

 店舗のサインは道路側に向けて持ち出していたり、 ハリウッドの臨場感を表現するために英語表記となっており、 しかもかなり大きめのものを使ったりしています。 こうしたサインのデザインは、 ユニバーサル社のデザイナーが監修しており、 企業と話し合ってデザインを決めました。 もちろんサインそのものの規定もあります。 ですから、 この地区の景観や色彩については企業とユニバーサル社が一体化して整備を行っているのです。

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二期工事予定地
 二期工事予定地は7000m2あります。 ここでは、 シネマ・コンプレックスを展開する予定で、 一期工事の時に一緒にできればよかったのですが、 今はもう一度計画を練り直して、 造る時期を見計らっていると聞いています。

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周辺のホテル群
 右が日航、 真ん中が京阪、 左が近鉄です。 日航ホテルの奧にはNTT西日本のビルが見えています。 情報通信企業の集積として最初に来てもらいました。

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MBSスタジオ(毎日放送)
 MBSスタジオはここに来る前は千里にあったのですが、 そこから移ってきていただけました。 本社は北梅田にあります。

 ここでは実際にテレビのスタジオとして使っています。

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区画整理して公園を整備
 区画整理事業でつくられた人工地盤の公園です。 公園の下にはJRが走っています。

 当初の計画ではアメリカ側の要望もありパーク周辺の景観整備のため、 パークに近接して走るJR線を地下化したかったのですが、 コスト面などから地上を走る線路をシェルターで覆い、 屋上公園とすることで解決しました。

 ですから、 電車に乗っているとユニバーサルシティ駅の次の桜島駅まではパーク側が見えないようになっています。

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植栽のこだわり
 外周の道路です。 ここは完全に公共が管理しているところなのですが、 ここにもハリウッド風のこだわりがあり、 景観もUSJに合わせた南欧風の植栽をしつらえています。

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シティウォークの横
 シティウォーク横の工場との境界塀ですが、 地元の方や地権者の方にも協力していただいて、 ディスプレイに工夫をこらしてもらいました。 にぎわいを持たせるようなものにしようと、 映画のフィルムを思わせるデザインで、 大阪の名所をいろいろと見せてくれています。 かなり長く歩くとけっこう面白い場所です。

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安治川
 安治川には、 今、 スーパー堤防が整備されつつあります。 向こうの方には天保山が見えます。 スーパー堤防事業は大阪でもまだ数が少ないものですが、 これは立体的に護岸を強くして、 堤防沿いにも建物が建てられるようにするものです。

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船着き場
 対岸のコスモスクエアからUSJに来られるお客さんが乗るための定期便が出ています。 ハイアットリージェンシーにお泊まりのお客さんもここから乗降されます。

 安治川をはさんでUSJと天保山はすぐ近くです。 ですから、 海遊館やマーケットプレイスも見えますし、 視線をずっと右にやればコスモスクエアも見えます。 船で行くとそれほど時間はかかりません。 天保山とUSJ側は無料の渡船で結ばれています。

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渡船
 この渡船の利用客数は年間だいたい20万人だそうです。 USJで働いている人で天保山に住んでいる人も多く、 自転車で乗りこめるこの渡船を利用しているようです。


周辺の都市資源

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埠頭倉庫の様子
 安治川沿いの風景です。 埠頭倉庫が並んでいます。

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USJの対岸から見たスーパー堤防
 対岸から見るとUSJの入口やシティウォークが見えます。 ここはかなり広いスーパー堤防のところです。 ここに将来、 ホテルなどが建てられる可能性があり、 地区計画で誘導していきます。

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対岸のスーパー堤防
 対岸のスーパー堤防です。 川の管理権は、 国・府・市が入り交じっているのですが、 USJ側のスーパー堤防は大阪府の管轄、 ここは市だったと思います。

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元港湾局の旧庁舎
 港湾局の庁舎だったところで、 診療所等のわずかの機能しか残っておらず、 大部分が『ピア・NPOの』という名称のもと、 様々の海外協力・支援団体のNPOの活動拠点として使われています。 NPOが集約して入れるフロアが出来たのは大変重要なことと思います。

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天保山に残るレンガ倉庫
 それほど多くはないのですが、 レンガ倉庫群が天保山にあります。 これはまだ使われている例ですが、 使われなくなったものもかなりあります。

 実は大阪市では使われなくなったレンガ倉庫を活用し音楽・芸術方面の活動をしていけたらと考えています。 本格的にはまだ動いていませんが、 予算もこれからですが、 大阪市が人材をヘッドハンティングするなどしてやっていきたい事業のひとつです。

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現代美術センター
 この建物は大阪府が最近作った現代美術センターで、 良質のレンガ倉庫の向かいにあります。 この場所で府と市が相乗りした形で、 文化活動の拠点としていこうとしています。 天保山周辺ではこのような動きが出ています。

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サンアントニオ
 この写真はアメリカのサンアントニオのキャナルです。

 南港コスモスクエアでも今キャナルを建設中なのですが、 キャナル整備イメージとしてはこういうものを考えています。

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