日本景色史・序
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7 再び、 景色の育て方

 

 これから景色の育て方を考えていくためには、 私たちに馴染みがあるのはどんな景色かを再認識する必要があるのではないか、 そのためには日本人がどういう景色を育ててきたのか、 日本人のさまざまな景色の見方を振り返りながら、 あなたの地域にはどんな景色が育っているのか、 あるいは育っていないのかをチェックしてみることが必要です。 そして地域にふさわしいどんな景色を育てていけば良いかを考えてみる必要があるのではないかと思っています。

 現在はものをつくるのが厳しい状況になってきているのですが、 ある意味では、 今まであったものをもう一度よく見直し、 再発見し、 それをうまく活かしていくことができる時代に入ったと思っています。 高度経済成長という時代の物的な環境整備(景観整備)がおおよそ終わって、 日本の景色の大きな流れを意識しながら、 国民とともに、 これからの景色のあるべき方向を考えていくことが必要かと思っています。

 国の法律で景観基本法が動きだしつつあります。 それはいろいろ問題点を抱えてはいるのですが、 一つのきっかけにはなるのではないかと思います。 文化庁とか環境省とか農林水産省とかがかかわる領域を避けているというところがありますが、 地域のなかでそれらを一体の景色として見ていくことが必要だと思います。 国土交通省的な景色の見方だけではなく、 もっと幅広い景色の見方で我われの身近な景色をどう育ってていったら良いかを考えていただきたいと思います。 そのために今日のお話しがお役に立てればと思います。

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