基本コンセプト
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基本コンセプト
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以上の現況を踏まえてコンセプトを考えました。 大黒橋から日本橋間を「賑わいあふれる劇的空間」というイメージで打ち出している上位計画を受けて、 かつての浪速の水辺がそうであったように、 建築と水辺が一体となって水都再生を目指すことを考え、 「なにわの水辺劇場の創出」「よみがえれ、 繁盛の堀」をコンセプトとして提案しました。 堀と建物の連携により、 商売繁盛の空間を再生することをテーマとしています。
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よみがえれ、繁盛の堀・ゾーニング図
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次にゾーニングですが、 今回の戎橋〜太左衛門間は170mあり、 それを大きく3つのゾーンに分けてそれぞれのテーマを設定しました。
人通りの多い戎橋側を「にぎわいのゾーン」と設定し、 イベントステージや観覧場所をつくっています。 中央部は木陰で休んだりカフェテラスを設置できるような「休息のゾーン」、 東側の太左衛門橋付近はあまり何も作り込まずに広場的に使えるような「広場のゾーン」としました。
基礎構造が幅8mの遊歩道の中で2段に分かれているという制約条件がありました。 このため遊歩道を上段と下段の2段とし、 段差の部分に入り隅・出隅の空間を連続的につくりました。 そこに、 ベンチや腰掛けともなる階段・カフェテラスなどの面白い空間を演出していこうと考えています。
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イメージプラン
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この図がJUDIで最終的に提案したプランです。 図の左下の部分(南西部)は、 段差のない大きな一枚盤のイベントステージとしています。 ここは丁度、 船着き場の横に位置し、 歌舞伎役者の船乗り込み興行にちなんだイベントもしかけることができる設定です。
上下遊歩道の間に90cmの立ち上がりができるのですが、 コンセプトが堀ということですから、 この上段と立ち上がりの部分を石積みで造って、 重厚な堀のイメージを再現しようとしています。
下段は軽やかな水辺イメージを出すため、 木製のデッキの遊歩道空間とし、 上段の遊歩道は滞留をメインとした空間ということにしています。
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高さ設定
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さて二段の遊歩道の高さ設定についてですが、 基礎の形状が決まっており、 その条件が遊歩道の高さ設定に影響しました。
陸側は基礎の高さの制約から、 OP+2.65m以上に設定しなければなりませんでした。 さらに防潮堤として必要な高さは OP+3.25mです。
また水面側は、 船の運航時の波の高さから、 OP+2.35m 以上の高さが必要です。
ですから水面から65cm上がったOP+2.35m が下段遊歩道、 そして防潮堤までの高さがそこから90cmという条件です。
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断面図
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この条件のもと色々な断面を検討した中、 この図が最終的に提案したものです。
今回の遊歩道の目的の一つは、 背後の建築をいかに水辺に顔を出させるかということでしたので、 遊歩道高さは背後の建築から使いやすい高さ設定が必要です。
背後の建築の高さを調べましたところ、 図の左側の道頓堀側と右側の宗右衛門町側で道路の高さが違いましたので、 おのずと地下のレベルが違っています。
宗右衛門町側の建物は大改修か建て替えをしないと遊歩道には出られないという高さ関係でした。 それなら、 防潮堤としてOP+3.25mの高さが必要なわけですから、 上段遊歩道をOP+3.25mとし、 立て替え時に建築の床レベル3.25から段差なしで遊歩道に出られるように誘導しよと考えました。
一方道頓堀側は地下のレベルが先述のOP+2.65mと同じレベルでした。 上段遊歩道をOP+2.65m にすれば防潮堤(OP+3.25m)の高さ60cmの壁越しに、 カウンターやテイクアウトのお店を出すことができ、 大規模な改修をしなくても川側に顔を向けることができます。
また遊歩道自体も上下段の段差が小さい計画にしたほうがスロープも短くなり、 平面的にも一体感が得られると考えて、 JUDIとしては上段遊歩道高さを、 OP+3.25m と2.65m の左右非対称の断面を提案しました。