ランドスケープをやっております長谷川と申します。 先ほど堤さんが護岸について説明されましたので、 主としてどのようなデザインディテールを我々が提案していったかをお話したいと思います。 3 デザインディテールの検討
長谷川弘直(都市環境研究所)
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まあ石のイメージについても、 大阪ミナミには近くに法善寺横町とか水掛不動などがあり、 御影の石畳というものが皆さんに愛されていましたので、 ここでもやはり陸の延長、 堀割の延長ということで御影石を使おうと考えました。
それで、 下のプロムナードにつきましては堤さんの話にもありましたように、 どちらかと言えば浮き桟橋のような川の上に仮橋のような形で軽く作ろうということで、 ボードウォークをつくることにしました。
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その際の参考事例として、 一昨年西道頓堀に出来た湊町リバープレイスがあります。 ここのボードウォークの段差は約150mあり、 それに並行して作られている水辺のテラスは水上交通がここを船着き場として利用しています。 そこで戎橋〜太左衛門橋間も同じ道頓堀ですから、 陸上のボードウォークと川上のボードウォーク、 それらを繋ぐ御影石の護岸といった一連のデザインディテールを今回の提案の参考として、 また西道頓堀のボードウォークの延長という意味でも連続性を持たせてはどうかと考えました。
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柵のデザインも非常に大きな要素で、 様々な議論が出ました。 これについてはJUDIの中でも工業的なデザインをされている方たちが中心となって、 土木的な事では最低1.1mの高さと水平荷重約360kgで押しても倒れない強度などの技術的な面はもちろん、 いろんなタイプの柵について安全性、 機能性、 美しさといった視点から検討を進め、 沢山のデザインを提案していきました。
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最終的な我々の提案は、 丸い再生木材を手すり部分に使い、 出来るだけボードウォークと同じ優しい素材での一体性を作ろうということになりました。 ただ、 これについても様々な議論がありまして、 提案は一応いくつか出しています。 どれに決まったのか我々も把握してませんが、 我々がトータルなデザインについて提案出来るとしたら、 できれば優しくてシンプルであまりゴテゴテ装飾しないようなデザインが好ましいと考えています。
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その結果として提案したのが、 並木道みたいなものではなく、 あるいは「川だから柳」みたいな発想でもなく、 例えばエゴノキやナツツバキ、 サルスベリ、 ヤマボウシといったように樹形があまり大きくならず、 かつ季節感も感じさせながら優しい水辺の修景デザインが出来るような樹木樹種を、 橋からの視線の先にある遊歩道中央部にまとめて植栽するという計画でした。
以上です。
植栽
植栽計画
それで植栽はどうしようということで、 例えば、 橋の上からのビューポイントとして緑があった方がいいかどうかといったこともJUDIで侃々諤々の議論をしました。
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