船場を読み解く
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『行ってみたい大阪』の提案

 

 ところで、 今回報告する船場研究は私ども大学で行ったのですが、 他にも、 私が座長をしている大阪都市創生研究会でも重要なテーマとしています。 これまで、 最初に船場の構想づくりをし、 (2000年第8回セミナー参照)その後、 堺筋も取り上げました。

 この船場が大阪にとって大事な場所であり、 そのことをもっと大きい声で言うと同時に、 そこにある「空間的な流れ」といったことをもっと考えなければいけない、 といった事がそこで提案されました。

     
     「都市は行ってみたいという魅力に溢れていなければならない。 訪れる人がいなければ、 都市そのものの概念がくつがえる。 行ってみたい都市の魅力はさまざまであるが、 歴史的な中心地区がもっている魅力は、 他に代え難いものである。 そうしたポテンシャルを船場はもっている。 しかし船場は今、 転換期を迎えている。 この地域が生き生きとしたまちであり続けるためには、 歴史的な骨格を保ちながら、 新しい機能を導入していくことが課題である。 私達はその道筋をここに提案したい。 新たなまちづくりのためには、 企業や、 行政や、 そして市民がもっている、 真摯なエネルギーを結びつけることが必要である。 そうしたネットワーキングが、 これからの都市づくりの基本であると考える」。
     大阪都市創生研究会編『行ってみたい大阪』(CD版)、 (財)大阪市 都市工学情報センター、 2000年。
 
 またそのときに、 船場が目指すべき方向として、

といったことを提案しました。

 

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期待されるアクション
 
 また、 期待されるこれからのアクションとしては、 「船場にふさわしい建築を生み出す」とか「船場を歩ける街にする」「船場に新しい都市活動を育む」といったことに努力するべきであって、 そのためには「結びつける」という事をもっと考えないといけません。

 これはつまり真ん中に空間、 例えば建物や土地があったとしたら、 従来はオーナーが建設会社にお願いしてあれこれやっていたわけですが、 今はもっと色んな関係の中で、 そういった空間を活かしていくということができるのではないかと思っています。

 スポンサーになるような人もいると思いますし、 色んなアイデアを持った人達もたくさんいます。 それから様々な人々のネットワークもあります。 そういうことを将来マネージメントしていくことによって、 新しい船場の再生ができるのではないか、 というわけです。

 その際に、 では公共は一体何をするのかといいますと、 こういった仕事はなかなか公共主導ではできませんので、 助成支援とか規制緩和といった形で関わってもらうべきではないか、 とこのような事を提案しました。

 以上で私からの説明は終わります。

 後は、 建築や都市デザイン的な船場のスタディについてご報告致しますが、 これらも、 今私が述べたような考え方で、 色んな調査を行ってゆきたいと思います。

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