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これは鴻池ビルディングという1925年に建てられた建物です。 2001年、 私がちょうど調査している頃に取り壊されました。 取り壊される前には三和ビルディングとか三和今橋ビルディングという名前に変わっていたのですが、 そもそもは鴻池銀行、 山口銀行、 三十四銀行が1933年に合併して三和銀行になっているわけです。 ちなみに鴻池銀行も、 元は今橋あたりの豪商であった鴻池家が始めた銀行が前身そうです。 設計は長野宇平治という古典様式建築の名手です。 見るからにルネッサンス様式の、 気品があって面白い建築だと思います。 主体構造の施工は大林組で基礎は竹中組ということだったのですが、 当時にしてはかなり珍しい、 ジョイントベンチャーのはしりのような方法で施工されたようです。
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次は第一勧業銀行高麗橋支店です。 高麗橋に1926年に建築されましたが、 1992年の春に解体されました。 見ていただくとわかりますが、 かなりアクの強いデザインです。 設計者は西村好時。 この建築家はナショナリズムの現れとも言われる帝冠様式の権威でした。 欧風の建物の上に瓦屋根を置くような建築物、 満州中央銀行などを造った人です。 実はこの建物の正面にある柱頭の一部が南船場の南船場ハートビルに移築されて部分保存されています。
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次はご存じの方も多いと思いますが、 北浜平和ビルです。 設計者は不詳で、 建物が完成してから100年前後経った1987年に取り壊されています。 屋根のデザインや手摺りの装飾、 玄関の柱頭飾りなどのデザインが秀逸なのですが、 今から20年ぐらい前になくなったわけです。
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これは東警察署です。 大正3年頃に建築されたらしいのですが、 設計者などは資料がなくわかりません。
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