美しい(良質な)景観をつくる方法
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JUDIメンバーの意見

 

江川

 次にJUDIのメンバーの意見を紹介していきます。


基礎的な認識が共有されていない

長町志穂(LEM空間工房)

 基礎的な認識が共有されていないことが問題であり、 それを勉強会などで支援していくことが必要であるとういう意見です。

 また、 色々な立場の人がいるので、 それぞれの立場をクリアにした上で、 積極的に評価し、 考えを表明していくことが必要ではないかという意見です。


JUDIは意見をいうべき

久保光弘(久保都市計画)

 JUDIは、 実際の景観や材料の評価・評論を積極的に表明していくべきであるという意見だと思います。

 もう一つは、 JUDIが総合的なカタログの作成を担ってはどうかという意見です。

 現在はそれぞれのメーカーが個別のカタログを作成していますが、 使う場所やコンセプトに基づいたカタログ、 そしてそれに評価・評論が付いていれば良いのではないかという意見です。


メーカーを横断し、 比較検討が出来るカタログを

松山茂(都市空間研究所):
 同様の意見で、 メーカーを横断するようなカタログ、 比較資料の付いたカタログの作成にJUDIが貢献できるのではないかという意見です。
 もう一つは、 そのようなカタログ作成のためのベース作業にもなると思いますが、 JUDIメンバーや研究者などによる継続的な研究会を設置して、 実例に基づいた検証をして、 研究成果を資料集として出版してはどうかという意見です。


まずは自身を振り返ること

前田裕資(学芸出版社)

 一つは、 評価・評論が付いたカタログを作ってはどうかという意見です。

 もう一つは、 JUDIの専門家による景観も含め、 JUDIニュースやJUDIホームページで厳しく批評をしていく必要があるのではないかという意見です。


分野横断的な推奨事例をつくる

丸茂弘幸(関西大学)

 地域性に対応した、 また全体景観につながる分野横断的な推奨事例を紹介するカタログを作成していく必要があり、 JUDIはその作成や宣伝活動を担っていく必要があるという意見です。

 また、 JUDIは行政の景観協議会やデザイン協議会などと連動するべきではないかという意見です。


追跡調査も含め、 第三者的評価を

藤川敏行(竹中工務店)

 事例紹介に止まらず、 JUDIが追跡調査を行なった上で第三者的な評価・評論を表明していくべきではないかという意見です。 そして、 メーカーもそれを反映した新しい製品開発につなげてもらいたいという意見です。


決定プロセスを含めたPRが必要

西斗志夫(関西学研推進機構)

 好ましい事例を社会にPRする際、 単なる事例紹介ではなく、 デザインの決定プロセスを含めたPRをしていく必要があり、 それによって初めて景観の質の向上につながるのではないかという意見です。


初期段階から事後フォローまでJUDIが関わるべき

難波健(兵庫県)

 商品開発やプロジェクトの初期段階から事後フォローまでJUDIが関わる必要があり、 そのことが成果を一般化することにつながるのではないかという意見です。 また、 その際の心配事として、 企業秘密の制約からそのようなことはできないのではないのかということを書かれています。

 もう一つは、 JUDIの活動として場所性・地域性をコストに乗せる工夫をすることが、 面白いのではないかという意見です。


社会実験に取り組むべき

千葉桂司(URサポート)

 社会実験やプロジェクトをJUDIがフォローしていく必要があり、 その中で、 質の高いデザインや地域性とは何かを継続的に考えていくことが、 発注者やデザイナーの質を高めるために必要なのではないかという意見です。


JUDIがカタログの項目立てや評価基準を

宮前保子(スペースビジョン研究所)

 メーカーごとにカタログの項目が異なっており、 本当に比較検討したい項目が
共通で書かれていないことも多いので、 JUDIが項目の設定を提案する必要がある
のではないかという意見です。


JUDIは地場的な活動をしていくべき

井口勝文(京都造形芸大)

 一つ目は、 JUDIは大メーカー的ではなく地場的な活動をしていくべきではないかという意見です。

 二つ目は、 カタログから選定する場合、 色が疎かにされている状況が多いため、 JUDIが色の問題を継続的に考えていく必要があるという意見です。

 三つ目は、 JUDIが率先して、 総体としての美しい景観が出来上がるような材料を普及させることに努めるべきだという意見です。


現場で変えられないように

長谷川弘直(都市環境計画研究所)

 プロジェクトにあたって、 初期段階からメーカーとコンサルタントがコラボレーションしていき、 現場で変えられないようなシステムをつくっていくことが重要であるという意見です。


積極的に場所の魅力を発信していくべき

岸田文夫(環境開発研究所)

 地域性が重要だと言うが、 厳しいコスト競争とグローバル化の中で、 実際には地域性が反映された景観は出来上がってはいない。 JUDIが積極的に場所の魅力を発信していく活動をすべきではないかという意見です。


メーカーやデザイナーの技量アップを

森重和久(GK設計)

 一つ目は、 メーカーやデザイナーは、 歴史、 地域特性、 未来性などを読み込む練習を繰り返す必要があり、 JUDIとしてはそのことに対する支援をしていく必要があるという意見です。

 もう一つは、 良いデザインとは何かを学習するだけでなく、 他人を説得する、 あるいは行政担当者を説得する技術を身につけることも重要なことであるという意見です。


JUDIが製品開発の支援や指標作成を

金澤成保(大阪産業大学)

 一つ目は、 地域性に即した開発を支援していく、 地域素材の活用を含めた地域独自の製品開発とそのシステムの構築が必要であるという意見です。 JUDIには様々な地域のメンバーがいますので、 このようなことをもっと積極的に考えていくべきではないかということだと思います。

 二つ目は、 初期コストだけではなくランニングコストを含めた考え方を一般化する指標はつくれないか、 あるいは、 そういうことを社会に訴えかけていく活動が重要なのではないかという意見です。

 三つ目は、 長期的な環境という視点から景観を考えた製品をJUDIとメーカーとが共同で開発していく必要があるという意見です。

 四つ目は、 デザイン協議会のようなシステム自体が未だにできていない自治体もあるため、 社会から一定の評価を受けられる人が評価するシステムを全国的に作っていくべきではないかという意見です。

 五つ目は、 現在のバリアフリーのマニュアルが偏った視点でしかできていないため、 JUDIが評価・評論を行い、 その上で総体的景観を考えたマニュアルを作成してはどうかという意見です。

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