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風土・風景・景観概念
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このように少しずつ村民の活動が進んできているわけですが、ここでもう一度「歴史的風土」と「風景」と「景観概念」を私なりに整理してみます。
明日香村はかなり特殊な例ですが、「歴史的風土」が地形や植生、農地や人間の諸活動、それから地下に眠る歴史的遺産といったものが一体となったものであるとすれば、これらのうち一つが欠けてもその維持・保全が出来ないと考えられます。したがってこれをどう維持していくのか、あるいはこの歴史的資産をどう保全していくのか、あるいは建造物の変容をどういった形で許容していくのか、あるいは様々な活動をどのように展開していくのか、そういったことを考えていかなければなりません。
一方「風景」という場合はその価値判断がそれぞれにあるわけですから、その価値判断の部分が今一番のポイントになっているように思います。
これは一体誰のための風土なのか、あるいは誰のための風景なのかといった事をそれぞれの景観構成要素の組み合わせの中で考えていく必要があるのではないでしょうか。
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明日香村の4つの景観タイプ〈平地型〉
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〈山辺型〉
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〈谷辺型〉
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〈奥里型〉
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そう考えた場合に、一つは集落単位で考えていくことが重要であるとして、大きく4つの集落のタイプを考えてみました。
まず、集落があって水田があり、そこはたいてい宮跡や寺跡で、さらに社寺林がある「平地型」。
次が山裾で、森林は人工林ですが古墳や墳墓があり、集落があって背後の山に対して前に田園が広がっている「山辺型」。
それから谷あいに川があり、そこに集落や棚田があって後ろに古墳がある「谷辺型」。
最後は一番奥の森にちょうど取り囲まれるように小さな棚田や集落があって今も美しい集落景観を残している「奥里型」。
このような4つの景観タイプに分けられると思います。
このように明日香村の歴史的風土は特色があるわけですがそれはまず国が守る風土であるということ、それから国民が等しく愛する風土であること、しかもそれを村民が誇りとする風土であること。これら3つが特色であると考えています。
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