問題風景−乱れた街並み
乱れた街並み
では、これから具体的に問題風景の数々を見ていただきます。今の時代はウォーキングが健康にいいということでグループごとにメンバーが歩きながら「これは変だ」と思った風景を写真に撮り、お互いに意見交換をしながら検討しました。
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おそらくこのマンションの向こう側には幹線道路があるのでしょう。つまり幹線道路沿いに高い建物が建ち、内側の風景と断絶してしまうというガワとアンの関係がそこら中に発生しています。
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汚い風景を汚く撮るのは難しくて、みんな結構きれいに撮ってしまうんです。これは、いろんな形態の建物が並び、乱雑な感じの街並みになっています。
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見てのとおり、建て込んだ町中に超高層が現れてスカイラインが乱れてしまった例です。高い建物と低い建物のバランスの悪さが目立ちます。
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これを「コニシキタワー」と呼んだ人がいました。この写真は麻布十番からとらえた風景です。麻布十番は山の手ながら下町の良さを残すしっとりした街並みだったのですが、六本木ヒルズが出来たせいでその印象が薄れつつあります。
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電柱にしても看板にしても、コミュニティスケールのデザインにもひどいのがいっぱいあるという一例です。これまでの写真の全てに電柱、電線が入っています。
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これは、隣地斜線やら道路斜線やらいろんな斜線制限でこんな形の建物になりました。 ある外国人から「日本はなぜ北側を階段状の建物にするのか。風水的なデザインなのか」と聞かれたそうですが、案外もう今日的な日本のスタイルになっているのかもしれません。
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一軒のお屋敷のあとが分割され奇妙な形態の建築が並んでいます。隣地に対する北側斜線で鋸状の形態になっていますが、お互いにどんな利点と迷惑があるのでしょうか。 比較的大きな敷地の家が相続になる時、地元の工務店がいち早く聞きつけて、お世話をしているうちに高値で入手してしまうんですね。写真の例は比較的大きな敷地ですが、比較的多い60坪程度の家だと20坪ずつのミニ開発にして、1階を駐車場、2、3階を居住部分にした新しい形の木造密集がそこら中で発生しています。この形態がもっとも高値で買い取ることができるのだそうです。しかも北側斜線制限のある場合も少なくなく、そろってノコギリ型の屋根になります。これじゃあ風景にならない。
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ちょっと郊外に出ると、今度は駐車場だらけの光景になります。需要よりも駐車場の方か多くて、ガラガラの駐車場はこれまた寂しい。
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看板だらけの建物です。屋内から窓ガラスに広告を貼られ「屋外広告物じゃないから」と言い張られたらどうしようもありません。
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こうしたラッピングバスも最近よく見かけます。
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ネットフェンスと樹木の関係も、ちぐはぐでおかしなものだと思いませんか。緑さえあればいいだろうという発想の貧困さを感じます。
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ここは普段何も使ってない時の方が多いのですが、味気ない広場だなあと思います。
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ここはけっこう人通りの多い路地だそうですが、こういうのを路地と言えるのでしょうか。
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この風景を見るたび、何かおかしさを感じるんです。なぜ違和感があるのだろうと考えると、バラバラなデザインのなかに高さだけが異様に揃っていることからくるおかしさといえます。羽田の航空制限からおきてくることですが、デザインとは全く関係のない法による規制がデザインを拘束している訳で、都市計画法や基準法の規制よりもっといおかしな風景になる。それぞれが企業の本社ビルで、隣りとは違った建物を、と施主も施工者も意識しすぎてこういうことになったのではないでしょうか。
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高架の下に見えているのが、有名な日本橋です。もうこの高架道路ははずしてしまいたい。今やこんな所に高速を作らないのが世界の常識です。高速道路をはずすだけだったら地下化する場合のように5千億とか7千億もかからないんです。「それじゃあ車が困るだろう」という意見がすぐ返ってきそうですが、所詮今だってスムーズに流れているとは言い難い状況なんですから、はずして一般道路に下ろしても一向に構わないだろうというのが、私および何人かの意見です。むしろ、東京の場合、内環状高速道路を完成させれば問題は半ば解消するのではないかと思います。
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これも見方によってはアートと言えるのかもしれません。
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見過ごされがちな農村風景ですが、なんでこんな建物にしてしまうのだろうと私は思います。おそらく建築家は関与してない建物です。ドイツあたりだったら、どんな建物だろうと倉庫だろうと建築家がデザインします。 また建物以外だと、最近風力発電が農村でエコロジーだとブームになっているようですが、あれも2〜3基だと風景になりますが、10〜20基だと環境破壊じゃないでしょうか。
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