看板・広告から見る都市景観の課題
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屋外広告物の現れ方

 

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広告物の種類と名称
 
 まずはどんな種類の広告があるかということで、これを図のように整理しました。

 屋上広告物、張り出し広告物(壁面に張り出されているもの)、壁面突き出し広告物(壁面から飛び出しているもの)が建物に付随しているものです。

 足元にいきますと、敷地内に立っている広告塔、広告板、張り付き広告(足もとの壁に付いているもの)、路上の置き看板など、実に沢山のものがありますが、こういう状況を踏まえながら地域ごとの掲出方法の違いを確認するための調査を進めました。

 屋外広告物は大通り・町なかの中小幅員の通り(以下では、〈まち通り〉という)を問わず沢山掲出されるのですが、幹線道路沿いとまち通り沿い、つまり道路の二区分によって広告の現れ方に違いがあります。それで、通り区分ごとに広告の現れ方を整理しました。

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河原町×四条/東方向 室町×竹屋町/南方向
 
 市内にある幹線道路の主要な交差点132カ所を定め、その中央部から東西南北4方向の写真を撮り、屋外広告物の「数」をひろい出しました。数えられそうにないとお思いでしょうが、一生懸命数えました。道路交差点からどんな種類の広告が見えて、どれだけ分布しているかを見ました。さきほどの図に示した屋外広告物の種類分けと、そのサイズ(大中小の3段階)に分けて数え上げたわけです。

 まち通りの交差点として154ポイントを選び、同様の作業を行いました。

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大通り交差点における屋外広告物の掲出状況(屋上広告物)
 
 そうした作業の結果を図上でプロットしてみました。これは大通りの屋上広告物の掲出状況で、どんなふうに広告が見えるかを示したものです。大中小と大きさ別に3段階に分けました(図の数字の上から順に大、中、小です)。

 そんなに沢山の屋上広告物が見えるわけではなく、四条河原町交差点でも合わせて19件です。

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大通り交差点における屋外広告物の掲出状況(壁面突き出し広告物)
 
 突き出し広告物になると急に見える数が増えてきます。背の高い大きな建物に設置されやすく四条河原町で43件、四条烏丸で55件、京都駅前35件などが多い地点です。

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まち大通り交差点における屋外広告物の掲出状況(壁面突き出し広告)
 
 大通りに囲まれたあんこ部市街地を構成するまち通り沿い、とくに都心部の当該地点における壁面突き出し広告物は、サイズ的に中−小のものが数多く現れています。

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交差点別平均掲出状況1/屋上広告物・壁面張出広告物
 
 こうした数字を棒グラフにまとめてみました。グラフ1は屋上広告物です。旧市街地と新市街地、および大通りとまち通りの4地区に分けて見ています。この数字は交差点からどのくらいの広告物が見えたかの件数の平均値ですが、屋上広告物は大通り沿いで目立つことが分かります。右のふたつは旧市街地のまち通りと新市街地の細街路の広告物を見たもので、掲出数はわずかです。屋上広告物は巾の狭い通りから見えないという物理的な制約もあって、数は少なくなっているわけです。

 グラフ2は建物壁面への張り出し広告の数です。数が多いと先に言いましたが、調査でもそのとおりとなっています。張り出し広告は大通りがやはり多いけれど、まち通りでも少々は出てきます。

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交差点別平均掲出状況2/壁面突出広告物・置き看板
 
 こちらは壁面突き出し広告物と路上の置き看板の掲出状況です。突き出し広告は旧市街地の大通り、まち通りで沢山見られます。大きなサイズの看板が目立つのは大通りで、まち通りでは中小サイズのものが沢山あるようです。

 置き看板は新市街地の大通り沿いが少し多いようですが、大通りまち通りとも同じような頻度で掲出されているようです。

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交差点別平均掲出状況3/広告板・広告塔・のぼり
 
 広告板・広告塔やのぼり・旗などは新市街地の大通りが目立ちます。たとえば国道1号線など車の往来が激しい場所で、こういう広告が多くなるようです。

 このほかにも広告の種類別の掲出状況図があったのですが、とりあえず六つのグラフを見ていただきました。

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