看板・広告から見る都市景観の課題
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広告物の地域別コントロール

 

 今まで大通り(幹線道路)とまち通り、旧市街地と新市街地に分けてきましたが、京都の場合もうひとつの特徴として北部の山麓部に文化財が集中していて、多くの観光客つまり屋外広告物を見てほしい層が集まるなど、地域的な特徴が屋外広告物の掲出頻度に関係してきます。観光客が集まると同時に広告物も増えるわけです。そうした京都ならではの事情も踏まえて、地域を分類しました。

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地区指定のための基本構成図
 
 観光客が集まる景勝地でかつ大通りはAタイプ(緑色)、旧市街地の大通りはBタイプ(赤)、それ以外の大通りはCタイプ(黒)のように(幹線道路を)3分類しました。

 大通り以外のまち通りについては、先述のとおり、旧市街地と新市街地の2ブロックで分けました。新市街地は工業などの業務系(薄い黄色)、住宅系(濃い黄色)にゾーニングすることが妥当と考えました。

 広告の現れ方も、こうした地域ごとの要素で違いがあり、仕分けの材料になるだろうと考えたものです。つまり、まち通りは面的なコントロールをしていくことになり、大通りは、線状、まち通り部は面的区分により広告物の対応をしていくというのが基本的な考え方です。これに地域性を加味して規制の枠組みを提案したわけです。

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屋外広告物規制区域等指定概要図
 
 現在実際に使われているのがこの指定概要図で、色分けは少し細かくなっています。しかし基本的な考え方は、今お話しした内容で出来上がっています。

 このように屋外広告物の地域的な構造をふまえながら、規制のための地域区分を設定していく考え方が望ましいでしょう。京都市の場合、市域全域をコントロールエリアにしたことが特徴的で、この時に幹線道路、およびゾーン区分によりコントロール水準を設定する構造にしています。結果として、5種類の面的な仕分けと3種類の線状地区区分をしています。作業の概要と現在施行されている条例の基本的なエリアはこういう状況です。

 先ほど交差点での広告物数を数えると言いましたが、交差点から見ると沢山の広告物が互いに重なり合っていて、広告物がある筈だが見えないということも当然あります。一方「見通し」で数を数えていますから、遠くに見えるものはダブルカウントした可能性もあります。

 だけど、この作業は屋外広告物景観をどうとらえるかが目的でした。したがって、主要なポイントを決めて、そこから屋外広告物、建築物、道路が集まってできる景観を評価する、つまり、実際にどう見えているのかを確かめるための作業でしたので、このようなやり方でいいのではないかと思っています。どれだけの数の広告物があるかを調べるのではなくて、どんなふうに屋外広告物景観が見えるのかをきちんと整理しようとしたわけです。それに基づいて、広告物に関する規制の枠組みを提案しようという作業でした。

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