この「都市環境デザイン」のキーワードでまず、北川フラムさんがおっしゃったのは「今の不動産は開発する動産である。消費されるモノである」ということです。これは、代官山についての話だったのですが、規制緩和することでまちがスラム化していくと指摘されていました。
競争社会の中では不動産は持ちこたえにくく、発展しすぎることでまちが壊されていっているというお話です。
それから京町堀は「型」を持っていたというお話が小浦先生から出ました。しかし、最近の大阪はその歴史としての「型」が見えなくなって表現できなくなっているところに、全体としてのまちのあり方がおかしくなっているのではないかというご意見でした。
また「敷地単位で考えたときに動産になる」という指摘がありました。これは建築家がつい陥りがちな考え方で、頭では分かっていても実務をやっている時に必ず思い直さないと陥ってしまうことだと思います。敷地の中で閉じてしまうデザインを、つい、してしまいがちなことを自戒して、
まちや路と向かい合うことがファサードデザインの公共性につながるということを改めて考えさせられました。
それ以外にも、デザインガイドラインの話もいくつか出ました。ニューヨークの例で話されたのですが、「デザインガイドラインはデザインを規制するものではなく、まちづくりのための余計な協議の時間を短縮するものだ」というお話がありました。
最後に、私が勇気づけられるご意見があったので、それを紹介します。「まちづくりのルールづくりだけでは、まちはひとつも変わらない。デザイナーがあるひとつのデザインを示すことでまちが動き出す。たったひとつのデザインでまちは変わっていく。これが〈デザインの力だ〉」(岸田さん)
この言葉を信じて、これからもまちづくりの仕事をやっていきたいと思っています。
キーワード4:都市環境デザイン
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