川づくりに都市側がどう関わるか
左三角
前に 上三角目次へ 三角印次へ

 

6。流域委員会及び関連活動のその後

 

 今年(2007年)6月17日に、我々は「武庫川シンポジウム」を開催いたしました。その時、河合雅雄さんが「川を育てる、川に育てられる」というタイトルで基調講演をされました。河合さんは篠山のご出身で、武庫川の上流でよく遊んだとおっしゃっていました。

 基調講演で河合さんは「川には4つの特性がある」と話されました。

 川は(1)自然が作った造形物である、(2)河原、河畔林等多様な生物の生息空間である、(3)人間の文化を育んできた、(4)子どもの一番の遊び場である、この4点です。その特性、役割に対し、日本は「水路づくりに熱中した結果、政官財の癒着により川は死んでしまった」と現状を批判されました。

 欧米は「森遊び」が戸外の遊びの中心なのに対し、日本は川遊びをしてきた歴史があります。だから、日本の川は治水・利水だけでなく、川遊びの文化を残し、文化・教育の場と位置づけすべきだとおっしゃっていました。

 私もこの考え方にはもちろん大賛成ですし、出席したパネラーの方々も異口同音にこのことをおっしゃっていました。パネラーの一人の宮本博司さんも「以前、国交省にいたときは、川の持つ文化性に気付かなかった。流域委員会に関わって初めて川の大切さ、現場の大切さが分かった」とおっしゃっていました。

 役人はどうしても机上で企画して、それを現場に通達する癖がありますが、我々生活する者にとっては現場なのですから、机上では分からないことも見えるんです。ですから、そういう民の人も巻き込んで良い川づくりをしないと地域の活性化には結びつかないでしょう。ぜひともみなさんも地域の川を知っていただいて、川の文化を再認識していただきたい。そして積極的な活動や対応をしていただければと思います。

 委員会はこれからも続きますが、これと並行して、現在「武庫川づくりと流域連携を進める会」というのを立ち上げ、有志の委員以外に流域の諸団体や地域住民の方々も会員になってもらい活動をしています。関心のある方の御参画をお願い致します。

 時間をオーバーいたしましたが、これで私の話を終わります。ありがとうございました。

左三角前に 上三角目次へ 三角印次へ


このページへのご意見はJUDI

(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai

JUDIホームページへ
学芸出版社ホームページへ