趣旨
地域の川が備えている多様かつ広範な役割と魅力を都市づくりや地域づくりに活かす試みが各地で実践されています。親水、利水、環境、景観、風景、歴史・文化、スポーツ・レクリエーションなどです。しかし一方、治水の側面が重視されるあまり本来の川と都市やまちとの深い関わりが希薄になっていることも多々見受けられます。
丹波から阪神間を貫流する武庫川は過去のダム計画問題、中流域の新都市開発の影響、氾濫域である阪神間への都市集積など上流から下流に至る多様な特色と課題があります。
兵庫県が設置した武庫川流域委員会は約2年半、延べ1000時間に渡り超長期の武庫川のあり方について議論し、昨年8月に提言書を提出しました。
川のことは川側に任せてきた都市側の問題も含め、都市や環境デザイン、まちづくりの側から川の将来像をどう見定め川づくりにどう関わるのかを考え、また総合治水や危機管理、地域づくりを進める上で川側と都市側の協働の重要性や流域連携の必要性等についてお話ししたいと思います。
JUDI会員 田村博美
ドーンセンターセミナー室