環境共生と農のまちづくりへの挑戦
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堺市における農地の推移

 

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 こうした状況の中で、堺市の方でも地域と合意しながら土地利用計画を考えていかなければならないということになりました。そして堺市北区金岡地区で地域の方と農空間保全に向けた土地利用ゾーニングについて協議し、共有していく取り組みを平成14年から取り組んでいます。また一昨年からは南区の中山・上北地区でも始まりました。また上之・辻之地区では土地利用まで進んでいないのですが、ため池の環境整備を通じて地域の農空間を見直していこうという取り組みが行われてきています。

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右;堺市の農地の推移、左;調整区域内の農地の推移
 
 堺市の農地の推移を示します。堺市は1968年から2000年の間に、約3000haの田畑が減少しています。調整区域でも200haほどの減少がみられます。1990年から15年ほどの間の農地転用の状況をみると、2000件ほど、面積にして100.5haの農地転用が発生しています。

 主なものとして露店駐車場が2割強、露天資材置き場などが2割強となっています。住宅であれば新たな人が来るのですがこういった用途が多くなってしまっています。

 なお、もう少し詳しく、権利移転を伴わない4条申請と権利移転を伴う5条申請とで分けて見ると、全体の7割の件数、面積にして8割が5条申請になっています。このことから農地が転用されて、地区に関わりの無い人、よく不在地主と呼ばれるような状態が多くなっているのです。それらの転用用途をみると、露店資材置き場や露天駐車場が多い状況になっています。

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 さらに接道している農地から転用されるため、アンコの部分だけが残って農業するのにも難しい状況が発生しています。また資材置き場に関しても、資材というよりも廃材置き場にされており、変な液体が漏れているといった事態も発生しています。文句を言おうにも、地主が地区外の方で知らない人の場合が多く、なかなか文句も言いに行けない状況になっています。極力こうした迷惑施設がこないように土地利用を考える必要が起きているのです。

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一戸あたり平均、単位千円、大阪府農林水産統計/大阪府、各年次より作成
 
 また農家の方々がどんな収入状況になっているのかを調べてみると、アーバンフリンジではある一定の不動産経営をしながらも、良好な農地を守っていくというせめぎあいの状況であることがわかります。実際に聞いてみると、一反でお米だけでは純収入で8〜9万円だそうです。府下では三反くらいが平均なので30万円くらいの計算になりますが、それだけでは生活はできません。不動産経営もしないとやっていけない状況になっているのです。

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