コンバージョンが街をおもしろくする
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調査の結果

 

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 先ほどの形容詞対で、どちら側に感じるかということを聞き、平均を取っています。1に近いと左の形容詞が強く、数字が大きくなると右の形容詞が強いということです。

 その街について、「落ち着きがある」「生活感がある」「のんびりした感じ」「古い感じ」「手作りな感じ」「わくわくする感じ」「特徴のある感じ」「好き」というのが、左のほうで強く反応している要素になります。

 逆に「落ち着きがない」とか「生活感がない」とか「せわしない」とか、「新しい感じ」、「既成的な感じ」とか「がっかりする感じ」「特徴のない感じ」「嫌い」などには反応が少なかったと読めます。

 あとは中間的な印象をもたれていると、そのように読んでもらえればよいかと思います。

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 あとは散策したときに、どういう建物やどういう景色に反応したかということを記録してもらって、KJ法的(類似のものを人のイメージを通じてまとめていくという作業)に整理して関係をみようと考えました。

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 関係を見るために、色んな統計的処理をするのですが、今日皆さんにお示ししたいのは、この結果です。属性(歩いた人が何歳なのか、女性か男性か等)や散策の条件によって、エリアの印象にあまり差が出ませんでした。つまり皆同じ反応をしていたということです。

 それから散策にかけた時間やどういう建物や景色に反応したかの量が評価に関係しているということが言えます。長く歩くとやはり、より良い評価が強いということが言えるのではないかと思います。

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 これは先ほど見た形容詞の関係で、どこの要素に反応し、印象との関係がどうなっているか、その関係を見ていったものです。「楽しいし、まとまりを感じるし、親しみを感じるから好き」という、容易に予想できる結果ではありますが、それを実際に数字で明らかにしようというのが狙いです。

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 実際にこういう街を歩きながら写真を撮って、ここの何に惹かれたというのを記録しながら他の印象も採点してもらって、調査をしています。

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 属性や散策条件によって、エリアの印象に差はない。また、散策時間や反応する要素の量と評価には関係があります。

 それから住宅コンバージョン店舗とその他の店舗で印象は異なるけれども、どちらも総合評価にプラスの影響を与えている。こういう界隈へ行くとお店の与えている影響が強いということが改めてわかりました。

 比較景や生活景を含む街路の要素は、反応数が少ないですが、エリアの評価に強く影響しています。

 暮らしがにじみ出したような街のバックに、高層ビルがあるとどうでしょうか。その街の見え方が全く違ってくる場合もあります。後ろのほうにビルが見えるのは意外に悪いことではない。かえって際立って面白いという、エリアをより高く評価する方向に働いているという結果も出ています。

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 こういう景色です。普通だったらこういうものが街にあるのは似つかわしくないと、単純に言うけれども、こういうものがあることによって、まとまりができているとか、良質性を感じるということに繋がっているということです。

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 生活要素全体についてみてみると、生活感のある風景が「楽しさ」「まとまり」「親しみ」の3つの心理的因子全部に関係して、全体で「好きだ」という方向に向かっていることが分かりました。つまり住んでいるということが与えている影響がとても強いということです。

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 こんな感じで人が住んでいる気配ということが、良い方向に作用しているということです。

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 それから先ほどとよく似た話ですが、大規模な要素はエリアの「まとまり」を高めるけれども、「楽しさ」にはマイナスの影響を与えているということも分かりました。

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 大規模な要素は、それがあることによって街の「まとまり」は感じさせているけれども、楽しくはないという、これも考えれば当たり前のことですが、そういう傾向がでています。

 大規模な要素というのは、こういう大きなビルのことです。

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 それから人の要素が「楽しさ」に強く影響しているということ。エリアのシンボル的な小学校や公園などは街の「まとまり」にプラスの影響を与えています。

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