たぶん、「都心居住の自由」みたいなものを、子どもながらに感じていて、それを深く考えるでもなく、今もずっと引っ張ってきて、それをそのまま仕事にして、そういうものに共感するお客さんが来てくれているのかなと思っています。 僕らはそういう人に対して、物件をコンサルティングして、賃貸でも売買でも紹介して、改装の提案をして、工事の施工をして、入居するまでを仕事としています。それを免許でいうと、不動産業であったり、建築士事務所であったり、工務店であったりします。ですからアートアンドクラフトという会社は、たまたまこれらの免許が要るからとっているのですが、別に必要なければ取る気もなかったのです。ユーザーの視点でやっていたら、そうなったわけです。都心で都心居住をメインにやっているというところです。最近はビルのオーナーから「何とかしてくれ」という依頼もあるんですが、今日は個人さんの家をどうしたかをメインに紹介します。
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では僕の中ではどう分けているのかということですが、リフォームは日本語でリフォームなので、それはそれでいいのですが、うちのリノベーションとの違いは何かというと、一つはアートアンドクラフトに来られるお客さんは、新たに家を取得するなり、借りるなりして、今から住むというところの工事の依頼に来られるのが95%くらいになります。
テレビの「劇的ビフォーアフター」等に見られる、今住んでいる所の具合が悪いからこうしてくれというのではなく、自分の住みたい空間をつくるがために箱を取得しているという形で、それがリノベーションかなと思っています。
またリフォームは50万円、100万円くらいまでの工事が多いと思います。キッチンが壊れた、風呂が壊れたから直す、修理するというところがリフォームであって(ああいうテレビ番組で紹介されている大規模なものもリフォームとなっていますが)、うちの会社では殆ど、家を取得する、こんな空間で住みたいというところからやるというので、社内ではリフォームとリノベーションを使い分けているところです。不思議なほど、うちの会社には今の家を何とかしてくれという人は来ないんです。なぜかわかりませんが…。
そこで用途が変わるのが、コンバージョンです。僕らが最初にコンバートという言葉を覚えたのは、野球などで、肩を壊したキャッチャーがファーストにコンバートされたとか、そういうところで覚えたものでしたが、それが最近では一般の人でも時々「コンバージョンした空間に住みたい」といって、メールなどを送ってくれます。