着地型観光とまちづくり
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3 着地型観光の背景

 

 これは今述べた着地型観光の特徴を返して見ることになるのですが、着地型観光が伸びてきた背景には次のようなことが考えられます。

・(1)消費者の観光ニーズの成熟
 特に本物志向になってきたと言いますか、見るだけでなく何か体験をしてみたいという要求が高まってきています。しかし、発地の旅行会社が現地に行って体験ツアー商品を考えるのも限度があります。だから、これはもうその地域の人にしか発想できない商品です。ましてや、交流プログラムなどは地域の人が主役になってするものです。

 このようにマーケットの細分化、多様化が着地型観光の背景のひとつとしてあげられます。

・(2)インターネットの進歩と普及
 先ほども触れましたが、観光地から消費者へのダイレクトな情報発信が、しかも双方向で、かつ安価でできるようになったことです。

・(3)交通手段の多様化と個人化
 住んでいるところから観光地に行くための足が多様化しました。個人が団体運賃と同じ安い運賃で飛行機に乗れたりします。自分の都合で行けるマイカーの使用など、移動手段の選択肢が増えたということがあげられます。

・(4)地場産業と第一次産業の衰退
 これについてはみなさんの方が詳しいかと思いますが、地域の産業が衰退して経済的に自立できない地域が、観光で交流人口を増やそうとする傾向にあります。特に追いつめられている状況が、過疎地や限界集落などで深刻な問題になっています。

・(5)外国人観光客の増加
 欧米人や日本文化に親しんできた台湾人などは、けっこう日本文化を求めてきているようです。中国人観光客は今はショッピングがメインですが、それも時間の問題で、やはり日本文化への憧れや興味が潜在的にあるように感じています。地方であってもそうした需要に応えられるよう、きめ細かい対応が求められています。

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