集客都市・大阪の展望
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水都大阪2009

 

●その狙い

単なるイベントであってはならない〜これから始まる本当の事業
 今年の夏に実施する水都大阪2009のことをお話しいたします。シンボルマークは大阪中心部の河川のロの字型空間をイメージしました。

http://www.suito-osaka2009.jp/about/symbol-logo/index.html

 私がかなり以前から強調しているのは、これが単なるイベントであってはならない、市民運動として展開すべきだという点です。単に夏場52日間だけ行うイベントではなくて、今年春から1年間がシンボルイヤーであると。大阪が水の都だというブランドを再発信する始まりの年だと言い続けてきました。多くの方が都市再生、水都再生がある程度完成した記念の祭りだと勘違いされているのですが、私はそうではなくて、本当の事業はこれから始まるんだということを繰り返し言っております。

 ハードの整備の完成を祝いながら新たなソフトプログラムが始まるということを広くアピールしていきたいと思っています。

http://www.suito-osaka2009.jp/about/index.html

テーマは、「川と生きる都市・大阪」
 テーマは「川と生きる都市」。キーワードとして「連携」「継承」「継続」という言葉を掲げました。基本構想段階から言われ続けているのは、一過性のイベントにするなということです。

 今年は横浜で開講150周年記念事業が行われます。向こうは囲い込み型の博覧会になりますが、大阪はそうでなくて、予算規模も2桁も違う世界でやっていますので、博覧会のような規模にはならないんですけれども、市民運動の展開を行います。プロデューサーは私とともに越後妻有のトリエンナーレで有名な北川フラム先生にお願いをしています。

目的は、街のブランドイメージの確立と発信
 手法としてはアートと市民参加を通じて大阪が水の都だということを再発見していただきたいということを強調しております。街のブランドイメージの確立と発信というのが大きな目的で、後に継承されるのはこの事業を通じてさまざまに生まれるであろう市民の活動、地域コミュニティの交流等、あるいは従来できなかった水際の利活用の社会実験が恒常化していくというようなことを、重視しております。

 かつて震災前の神戸で「アーバンリゾートフェア」というのがありました。着地型の発想のもと、コミュニティから生まれるイベントを集大成するという「まちぐるみ博覧会」の早きにすぎた事例だと、私は高く評価しています。震災復興で、市民主体のあり方もかなり変わらざるをえなかったと思いますが、大阪でも、地域、あるいは市民のなかから新たな街のブランド・誇りを回復するようなイベント展開が必要だと思います。


●盛込む内容

街並み全体を会場としたアートイベントの展開
http://www.suito-osaka2009.jp/matinami/index.html

 プロジェクトとしては、大阪の街並み全体を会場とするアートイベントと、主会場として中之島周辺を考えております。ライトアップを展開することと、アートの展開を行います。

かつての風景をイメージした北浜テラス
 北浜テラスですが、古い江戸時代の絵図とか明治の写真を見ると、切り立った堤防がないので、川に面したそれぞれの家屋が川側に張り出して、なかには川を見晴らすような座敷を造っている店が大阪にもたくさんありました。そのかつての風景をイメージしながら、だけど現代的な床を川に突き出して造っていきたいと思っています。

 ただ川の堤防に面しているところに地下室を造ってしまっているので、1階の地権者がテラスを出すと、地下の賃貸するところの窓が完全にふさがってしまいます。1階の人がやりたくても地下の人が納得できるようなデザインというのがなかなか難しいというのが去年もあったんです。その辺も踏まえて、仕組みを考えていかないと、という話を地元の人たちのなかでしていただいております。あくまでも地元協議会が実施する事業に対して緩和するかたちになります。

船着き場の商業的な利用
 また、船着き場での商業的な利用がもう少し日本でもできないものかと思います。ヨーロッパでもアメリカでもアジアでも、船着き場周辺に屋台が立ち、市が立ち、レストラン船が往来するというのはごく当たり前のことだと思うのですが、日本では防災上規制が厳しい。ここを何とか突破したい。

クルーズアンドウォーク、船で回る観光とまち歩き観光
 メインのプログラムの一つとして、クルーズアンドウォークと、船で回る観光と、まち歩き観光を組み合わす事業を今年の春と夏に実施します。

 すでに、落語家の方が案内する大阪クルーズが大阪観光の一つの目玉として商品化されていますが、そういうユニークな大阪ならではのガイドの方に各地域を担当していただいてまち歩きをしてもらう展開を考えています。以上ざっくりと申し上げましたが、水都大阪2009の枠組みです。

http://www.ipponmatsu.co.jp/cruise/naniwa.html  さて、まだ広く認知されておりませんが、2月に入りますとインパクトのあるポスターが掲示されるようになります。私の予感ですが、おそらく全国放送のワイドショーでも取り上げられるようなポスターが出回り、物議を醸し出すと思いますので、その時はああこれか!と驚いて下さい。まだ全然認知されていないので口コミで広げて頂けると幸いです。


●市民が主役

市民企画プログラム
画像ham01
 
 それから今年度の事業の柱が市民が主役となる一連のプログラムです。市民参加と当初は言っておりましたが、私はそうではない、市民が主体であるということで、「市民企画プログラム」というように名前を変えました。各事業において一般から公募していただいて審査を経て参加して頂けるプログラムをいくつも用意しようということになります。

 表紙に可愛らしい、これはよく見ていただくと大阪の都心部のロの字型の川を顔の輪郭をした、「みずから元気アップ!」と言っている人がいます。これは誰だ?水都くんか?とよく聞かれるのですが(笑)、これはまだ名前がございません。

市民から企画を募集
http://www.suito-osaka2009.jp/osirase/siminkikaku/jikken.html

 アートプログラムと、船着き場を地域の方に運営していただくというプログラムは、締め切っておりまして審査会も終わっております。

 現在残っているのは、川と水辺を利用した市民による社会実験プログラムです。上限30万円までです。昨日から受け付けを開始し、2月25日で締め切ります。ぜひも沢山の応募をしていただきたい。場所としては中央公会堂を5日間全館借り切ります。そして、水辺に関する市民活動のフォーラムや展示会を数多く館内で展開したいと思っております。

 あと、再整備されます中之島公園の中に、屋根はないのですが、水際に舞台のようなスペースを確保しました。そこに階段状の何人か座れるような場所がございますので、そこでさまざまなエンターテイメント等の展開ができると思います。事前の情報交換会等で出ているのは、たとえば幻の三十石の舟歌という大阪の伝統的な歌を歌いたいとか、あるいは水都のテーマ曲を作ったから歌いたいというものもあります
 それから段ボールの船とかソーラーボートを作りたいという人のために、八軒家浜の船着き場と大阪市役所の北側にあります若松の浜を確保しておりますので、そこで水際を使った活動を行ってもらうような事業を提案いただいて、それでこの5日間水際に多くの人たちが出てきていただけるようなプログラムをと考えています。このプログラムは現在募集が始まったところですので、これから応募を頂ければと思っております。基本的に社会実験で従来できなかったことをしようというのが主旨ですので、よろしくお願いします。(この事業も記録公開時点では募集は終了しています)。

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