集客都市・大阪の展望
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最後に〜集客都市と地域づくり

 

●広がるまちづくりの担い手

 いうまでもなく、まちづくりの担い手は住民です。しかしその「住民」という概念を相対化させないといけません。昼間そこに働きに来ている昼間人口の人だけではなく、さまざまな目的でそこを訪れる多くのビジターが街を元気にしているのです。そういう前提のもとで、まちづくりや地域づくりの事業と共に観光事業や文化振興策が横に連携できるような発想で一連の施策と事業の組み立てが必要だと主唱し、提案するからには実践に取り組んでいるところです。


●観光や文化事業が産業として自立することが必要

 観光や文化事業にしても、それを産業として自立させようとする発想が抜けていたのが従来の日本の行政の限界だと思っております。文化産業あるいは創意工夫によるクリエイティヴな産業とまちづくり、観光産業がうまく社会の基盤として機能し、文化的な景観整備に結びつくような組み立てが必要だと思います。各都市が自らの存在感を外に示すソフトパワーになるのだということを強調したいと思います。


●縦割りの政策を横につなげたい

 現在進めております事業を概括するならば、「水都大阪」というブランディングと夜景の創出による「水と光のまちづくり」、それと大阪府下の各地域の魅力を再発見するために分野横断をして進める「大阪ミュージアム構想」があります。さらに、大阪商工会議所等で進めているのが、地域を活性化するために地域が地域に根ざした企画をして、地域の方が観光客を受け入れるような地域振興策です。

 私が関わって、ようやく実践までたどりついた三つの事業ですから、私のなかではすべてが横につながっています。ただ事業の主体はそれぞれ違います。NPOなどの市民活動はもとより、大阪府、大阪市、関西経済連合会や大阪商工会議所、堺商工会議所、関西経済同友会など、さまざまな主体の活動があって、そこに橋を架けていく作業が必要であり、その役まわりを自負する人材が不可欠です。それが私の使命であり、現実的な実践だということは肝に銘じております。縦割りの政策を横につなげるようにと言い続け、実践する、それを環境デザインの専門家も、もっと声をあげていただきたいという言葉を最後に添えて、私からの話題提供を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

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