大津の町家・まちなか〜市民によるまちづくり活動
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町家の再生に向けて

 

■町家調査、町家再生研究会

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平成16年度大津市町家調査
 
 こういう事をしていたからかどうかわからないのですが、大津市の方から声をかけて頂いて、平成17年度から大津百町の町家再生研究会に参加しました。

 平成16年度に市が町家調査を行い、その結果、大津の旧市町地内には町家が1600軒残っていることが分かりました。平成16年度の調査なので今はちょっと減っているかもしれません。

 今日の町歩きは浜大津から参加して頂きましたけれども、そこから「電車道」と呼ばれる京都に向かう道があって、大津駅があって旧東海道があるという図のエリアで、橙で囲まれた地区で町並み協定を結んで、町家のオモテを改修したり修景するときに補助金を出すという制度が平成20年度にできました。

 町家を残したいという思いはどこかにあるんですが、住んでる人間にはそれは言えない。でも町家を考える会の存在とか、それがメディアを通じて色んな所で紹介される事で、また京都など他の地区で起こっている事が段々と地元の意識を変えてきたのかなという気がしています。

 研究会でしてきた事は、町家の現状を把握して町並み再生に向けた機運を盛り上げ、町家を再生・利活用していくモデル事業を検討し、平成20年度からスタートするというものでした。これに先ほどの町家を考える会の青山さんがメンバーに入っておられました。

 先ほど森川さんもおっしゃっていましたけれども、これまで「民」でやってきた事に対して、この2〜3年、大津市がこっちを向いたなということを、私も感じています。今関わってらっしゃる大津市の職員さんはすごく熱心で、本当に大変そうに見えるのですが、楽しそうにやってて、すごく親しい関係でできるということに私も喜んでいます。

 ですから住んでいる人間も、これだけ色んな周りの方々、市の方も一生懸命やっているんだからやらないといけないな、と感じています。ただ、皆がそこまでいけるわけじゃなくて、地元に住んでいる人間はまだまだそこまでじゃないんです。今度はそれをどこまで近づけていけるかが、私の仕事なのかなと思っています。


■まちなみ協定

 先ほど言いましたエリアで平成20年9月に『大津百町・京町通り札の辻〜寺町地区のまちなみ協定』を締結し、運営委員会が立ち上がりました。

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 この大津のエリアは「曳山」という名前を出すと皆が一体となれるんです。これはもうほとんど殺し文句じゃないかと私は思っているんですが、祭りのためだと思うとベクトルが同じ方向を向くんです。ですから「曳山と祭りちょうちんが似合うまちなみにしよう」というのを基本理念にしてあります。

 協定の目的としては、やはり貴重な町家の維持再生に取り組んで、世代を超えて皆がいつまでも住み続ける事ができる、誇りを持つことができる町並みにしようという事を目的にしました。この協定に二十数名参加しています。町家に住んでいる方以外の方もハンコを押されているのですけれども、私はびっくりしました。そこまで皆さんがハンコを押すと思っていなかったんですね。

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 今年度(2008年度)補助の事業として改修されたのがここです。これはうちのお隣の上京町という所の町家(ちょういえ)という、いわゆる町会所の役割を果たしているのですが、実はこの奧に蔵があって祭りの曳き山があります。その曳き山を祭りの時には上からと下から出して、建方します。そこに借家で入っているアミティさんというお花屋さんが、今までお世話になっているお礼にということで、一部お金を出して改修されたんです。前の顔が思い出せないくらい変わりました。

 実は次年度、うちの町内(中京町)の町家(ちょういえ)も修理をしようという雰囲気作りをしています。うちの中京町が第二号となれるかどうかわかりませんが、この協定のエリアの中で町会所という地区の財産を修理すると、やはり皆にとって分かりやすいと思うんです。アピール効果もあるだろうし、自分達の集まる場ですので、この二つが先駆けてやるというのは、すごく良い形になるのではないかと思っています。

 町家を守っていくというのは、まちづくりのためというのと、そこでの生活、暮らしを守っていきたいというのがあって、結果的に大津の人になってしまった私は、これが自分の生きる道なのではないかなと思いつつ、今日この場でこういうお話をさせていただきました。

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