景観まちづくりの今
左三角
前に 上三角目次へ 三角印次へ

 

イギリスの場合

 

 日本の場合、空間の形をデザインすることが弱いのは今お話しした通りですが、では他の国の場合はどうかをご紹介します。今、私はイギリスの事例を調べている途中なのですが、イギリスの仕組みを簡単に説明します。

 イギリスでは2004年に計画制度がガラッと変わりました。それ以前の制度をご存知の方は、それがすっかり違うものになったと考えて頂いていいと思います。

 政策方針としては、デザインを重視する方向に動いています。まず、計画許可については根幹に関わることなので変わっていませんが、計画許可の申請の時に「design and access statement」というドキュメントを提出することになりました。この中に何を書くのかが、政府の方針に示されており、その項目をみると空間の形が見えてくるのではないかと思います。以下は、その項目です。

     
    ●「Design and Access Statement」に書かれるべき項目(DCLG Circular 01/2006)
  • 用途(use)
  • 容量(amount)
     用途別の床面積の妥当性/周辺との関係
  • 配置(layout)
     建物へのアクセス/オープンスペース/関係性
  • 規模(scale)
     建物の高さ・間口・奥行き
     /周辺との関係=例えば、スカイライン/ファサード規模等
  • ランドスケープ(landscape)
     私的空間と公的空間の関係・取り扱い/アメニティ
     環境管理
  • 外観(appearance)
     開発のかたち/建築/材料/装飾性/照明/色彩/テクスチャー
 
 デザインが私が思う景観に近いという意味では、こういった空間の形づくりが景観を作る上では基本のことだと思っています。しかし、ここが日本ではなかなかできません。

左三角前に 上三角目次へ 三角印次へ


このページへのご意見はJUDI

(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai

JUDIホームページへ
学芸出版社ホームページへ