右の写真は、自分たちで撮影した御堂筋の写真の上に作り上げたイメージCGです。何とかお金の折り合いもつきまして施工事業者さんも入札で決まり、ようやく実現の目処が立ってきたころには、このCGが様々に使われてまいります。。
完成後の姿を画像などで視覚化していかないと伝わらないのが照明デザインというものです。それだけに、画像での表現はニュアンスの正確さが重要で、照明ならではのすごいところは描いた絵と出来たものがほとんど一致してしまうということなんですね。
施工と様々な協議
■計画の概要
全体デザイン計画図
イルミネーションイメージ
左の写真が平面計画です。351本の列柱も大川から南に行くにしたがってブルーからピンクなど変化を持たせたカラー計画を考えました。
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この絵は竣工前にいろんな媒体でどんどん使われ、お弁当にはなるわパンにはなるわといろんな所で使われました。そういう中でいよいよ施工が始まっていきました。
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緑地は当初どうやってイルミを付けるんだ?と議論しましたが、結局は植栽を傷めないようペグやワイヤーを使用しないでふんわりと上に設置するというエコロジカルな内容になりました。 施工についてはこれ以外にも、もっとお話ししたいいろんな苦労話があったのですが、割愛することにします。
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このモックアップ実験をやっている最中、他方ではファサードメイクアップの調整が大詰めを迎えていました。 写真は私の事務所で作った資料です。27箇所のビルひとつひとつを説得していかなければいけませんでした。電気代はもちろんビルに持って貰いますし、この事業を納得してもらうために個別の説明資料が必要でした。 大阪府さんと一緒にひとつひとつのビルを回ってオーナーさんに頼んでいきました。
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竣工 | ビル内部 |
ビル内部は右の写真のように、案外簡単な仕掛けなんです。酒ケースの上に棒を置いただけの所に、フィルターを巻いた蛍光灯を置きました。簡易なやり方でしたが、これで約51日間、照らしていきました。
竹中工務店のライトアップ |
昔、内原さんに伺ったことですが、京都で寺社のライトアップをはじめて手がけられたとき、相当ご苦労されていたのですね。まだライトアップが日本では認知されていなかった頃に、1人1人に話をしに行って、すごく手間をかけて作り上げていったというお話でした。不思議なもので先輩の言葉を聞いて後輩は頑張れるというものです。背景のビルの演出はとても大事なことだと信じ、これは手間をかける価値があるし、根気よくやれるだけのことはやろうと思いました。 本当に大変な作業でした。
東銀ビル実験風景 | 竣工後 |
大阪ガスビル |
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いろんなエピソードを生み出しながらビルファサードのライトアップが実現したのですが、沿道のビルの協力だけでなく、メーカーの方々の協力も大きいものがありました。投光器は1台30万円もするのですが、それをいくつもの会社が貸してくださいました。私が以前在籍していたパナソニックなどは、「天下の御堂筋やし、じゃあ一肌脱いだるわ」と18台も貸してくださいました。
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そうしたエピソードを重ねて、当初考えていたように御堂筋をパースペクティブに見せることはできるようになったのですが、そこににぎわいを生み出すためには楽しい仕掛けが必要だという話が出て、いろいろ考えてみました。
ほとんどがダメだった中で実現できたのが、右の写真の「ウエルカムサイン」です。
この2つは公開空地に置かれました。本当はあと2つ案があって、私は「イルミマン」が気に入っていて「御堂筋に来た人はみんな小林幸子になれる!」とはりきっていたのですが、残念ながら公開空地の数が2つしか取れなくて、イルミマンはボツになってしまいました。
出来上がって置いてみると大勢の人がやってきて、いろんな撮影をしてくれてます。ただ実際にイルミカーやイルミハートに乗ってみる人はあまりいなくて、この裏に立って撮影する人ばっかりなのがちょっと残念です。
■にぎわいづくりのために
イチョウ、ビル、路面の三位一体でのイルミネーションはできました。実は路面の緑地帯でも苦労話があって、警察としては国道の緑地帯にイルミネーションは付けて欲しくなかったのですが、それを大阪府のご担当者が警察に日参して実現できるようになったといういきさつがあります。
ワンダーライト・デザイン計画図
最初はこのようなサプライズとして「ワンダーライト・デザイン」を考えました。ですが、ほとんどが安全上アウトになって実現することは叶いませんでした。私としては右の写真のようなビルの壁面に影絵を浮かび上がらせるのがとても気に入っていたのですが、動く映像を御堂筋で見せることは警察的にできないと言われ断念です。
ワンダーライト・デザイン計画図/ウエルカムサイン
しかし、それ以外にはいまだかつて実現したことのない「4列のイルミネーション」「緑地帯のイルミネーション」が実現しました。今はできないと思われることも、少しずつ兆戦して実験していければいいと思うんです。ビル壁面の影絵は実現できませんでしたが、実験でそれを実際に見ることも出来たし、写真も撮れましたので、またトライできるかもしれません。
■記念撮影ポイントのアイデア
記念撮影ポイントのアイデア
さて、サプライズポイントは出来なかったのですが、その後「やはり記念撮影のポイントはいるだろう」と思って考えたのが、イルミカーとイルミハートです。
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