都市の自由空間
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公園と広場

 

■靫公園

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靫公園(大阪市)
 
 今回の本の中ではあまり公園を論じてないのですが、公園も都市の中では大事な空間です。靫公園がリニューアルされた後、雰囲気がまったく以前と変わっていたことに驚きました。


■ニューヨーク・ブライアントパーク再生

 ウイリアム・ホワイトは『オープンスペース』を書いたアメリカの有名な都市計画家ですが、荒れていた公園を再生するにはどうすればいいかということを1976年に指摘しています。ポイントをあげると次のようなことです。

     
  • 数千ドルの椅子やテーブルを整備したり、食事ができる施設を作る方が、数十万ドルの大理石や舗装材料より活気づけるために役立つ。
  • カフェは最良の安全の指標であり、魅力的で快適な空間を作り出す。
  • 「動かせる椅子」のアイデアは最も成功したマジック。
     (出典:Roberta Brandes Gratz and Norman Mintz, "Cities Back from the Edge : New Life for Downtown", John Wiley & Sons, INC.,1998)
 
 「動かせる椅子」というのは公園のそこら中に椅子が置いてあって、自分が座るときに皆ちょっとだけ動かすのだそうです。その椅子がとても評判がいいのだそうです。ホワイトの提案の実現にはけっこう時間はかかりましたが、ブライアントパークを再オープンさせることに成功しました。その時のポイントも「公園で商売ができるように」ということでした。

 私も昔あるシンポジウムで、当時の建設省の公園担当者と公園のあり方をめぐって論争したことがあります。建設省の人は「公園で食事やものを売るなんてまかりならぬ、お金を持ってない人はどうするんだ」、私は「料亭を作れと言ってるわけじゃない、人はどうしてもご飯を食べるわけだから、もうちょっと美味しいものが出る場所にしてほしい」と言ったんですが、全然話がかみ合いませんでした。アメリカでできることがどうして日本では出来ないのかと言っても、当時の建設省は絶対その考えを変えることはありませんでした。今はちょっと変わってきましたけれど。

 路上やオープンスペースで商売をすることは、その空間の良さがもっとも引き出せる使い方であるということを、我われは努力して伝えていかなければならないと思いますし、私はずっとそれを考えているわけです。


■OCAT・ポンテ広場とモール

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OCAT・ポンテ広場(大阪市)
 
 写真はOCATの地下にあるポンテ広場です。若者がガラスなど姿が映る場所でよく練習しているのを観察したこの施設の管理会社の人が、ステンレスのミラーを貼りました。そのミラーが若者を引き付け、ここがストリートダンスのメッカになりました。これを設置することは相当冒険だったのですが、ちょっとしたことでオープンスペースのアクティビティが出てきたわけです。

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OCATモール ガラスブロックギャラリー
 
 写真はOCATモールです。ここでは子どもたちが面白さを発見できる、そうした面白さをちりばめた空間にしようと提案しました。そこで、少し低い位置に、ガラス細工を入れたわけです。時々子どもがそれをのぞき込んでいるのを見ると、ああうまく引っかかってくれたなと嬉しくなりますね。本当はギャラリーの展示物を時々入れ替えたいのですが、お金がないのでなかなかそうもいきません。

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