都市環境デザイン会議関西ブロック

 

2010年度第2回都市環境デザインセミナー記録

都市の自由空間

鳴海邦碩


趣旨

 祭りが行なわれたり、市が開かれたり、人びとの雑踏する街路や広場の光景は、わたくしが建築や都市に関する学習や研究を始めて以来、一貫して興味の対象であった。そのような空間がわたくしには最も都市的にみえたのである。
 大学の卒業論文のテーマは「ちびっこ広場」、共同で行なった卒業設計は「河原町みちにわ計画」、修士論文は「移動商業施設」、そして博士論文のテーマが「都市の自由空間」であった。
 博士論文の内容を基礎として、1982年に、『都市の自由空間:道の生活史から』を中公新書として出版した。以来四半世紀が経ち、その後の研究や計画、まちづくりの実践の蓄積をふまえて、大幅に加筆修正して、昨年10月『都市の自由空間:街路から広がるまちづくり』を出版した。
 今回のセミナーでは、この新しい本に基づき、改めて「自由空間」について論じあった。
JUDI関西 鳴海邦碩



鳴海邦碩氏略歴

1944年青森県生まれ。大阪大学名誉教授。京都大学大学院修士課程修了。兵庫県技師、京都大学助手、大阪大学講師、助教授、教授を経る。工学博士。都市計画、都市環境デザインが専門。日本都市計画学会元会長。阪神・淡路大震災からの復興について10年間にわたって定点調査を行ない、復興まちづくりを検証した。インドネシアをはじめアジア諸国の都市環境調査も行ってきた。サントリー学芸賞、故奥井復太郎日本都市学会会長記念都市研究奨励賞等を受賞。
主な著書:『アーバン・クライマクス−現象としての生活空間学』(筑摩書房)、『景観からのまちづくり』(学芸出版社、共著)、『都市デザインの手法・改訂版』(学芸出版社、共著)、『都市・集まって住む形』(朝日新聞社、共著)、『都市のリ・デザイン』(学芸出版社、編著)、『都市の魅力アップ』(学芸出版社、編著)。

講演記録

三角印都市の自由空間 大阪大学名誉教授 鳴海邦碩 三角印質疑応答