色空間分析について
このシステムには、2つの大きな機能があります。色目の解析と色立体の解析です。これは画像から色目と立体を解析していくもので、その物体が持つ特徴を色彩から把握してもらうシステムです。
|
系統色空間 |
個別に家の画像を取り込む場合は、ひとつひとつの家の色彩を取り込むことが出来るのですが、もっと大局的に姉小路すべてを取り込もうとすると色の把握が難しくなってしまうので、そう言うときはこのソフトで大局的に色の把握をすることができます。
具体的には、色彩は色素、彩度、明度という3つの要素で成り立っており、その3つの次元の色空間に、写真画素を分解して得られた色をマッピングすることで、特徴を把握することができます。
この図では、左下は赤から右回りに緑、青に変わっていく色相を表しています。外に行くほど鮮やかさが増すという2つの情報を見ることができます。
図の右側には二つの小さな写真と縞模様が並んでいますが、これにより写真自体を色相の多い順に並べていって、どんな色が多く使われているかを把握することができます。個別に見ると、シャッターの色が青く飛び出しているからまとまりがよくないなどということが分かります。
マンセル色立体に全画像のピクセルをマッピング |
このシステム自体はいろんな所で使えるものですが、今回は姉小路のみなさまのお力添えをいただいて、町の色分析をした次第です。
補足で説明いたしますと、今回、色相は350の色味で分けています。R(赤)BG(ブルーグリーン)などで表され、それを立体にして行きます。下が暗く、上が明るい色で表されますが、これは明度を示すものです。立体の外へ向かっていくごとに鮮やかな色になっていきます。
この色味(色素)、彩度、明度の3つの要素で色は数値化していくことができるんです。絶対音感みたいに絶対色感が人に備わっていればいいのですが、普通の人にそれは無理なので、こういう色彩システムで「この壁はどんな色なのか」を知ることができるようになるのです。
ちなみに、今は京都市をはじめいろんな自治体が「色彩基準」を作っています。京都市の場合は「禁止色」という言い方をしています。特に壁に使う色について「これ以上、外の色はダメ」という言い方をしています。「これ以上」というのは、あまり派手な色を使ってくれるなということですね。YR(黄赤系)は彩度6、Y(黄系)は彩度4を上限にしています。青やグリーン、パープルなどは彩度2とされていて、使える色はどんどん狭まっていっています。そして、基準に記されない色は「禁止色」としています。
しかし、数値でこれらを聞くとみなさんもいったいそれがどんな色なのかが分かりませんよね。でも、このソフトだと何が使えるのかが簡単に分かります。これから使いたいと思っているイメージの色はどの位置にあるのかも写真から分かるようになっています。
ではそれを実際のイメージ分析で見ていきましょう。
■藤本さんによる補足説明
藤本:
このページへのご意見はJUDIへ
(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai
学芸出版社ホームページへ