どこでも同じ? |
今までの住宅づくりでは地域の材料を使って地域の技術で作られていましたので、同じように見えても地域ごとに微妙な違いがありました。それは地域材による色合いの違いだったり、屋根勾配が違ったりしました。気候によって屋根勾配が変わったり、使う土の色で住宅の色も違っていました。そうしたことが地域らしさを生み出していたのです。
しかし、今では材料が工業製品化され、技術も平準化されていき、住宅が商品化していきました。もちろん、これは悪いことだけではなく、安定した品質と安全を保証するということでは大きな効果を生み出してもいます。
そうした住宅製品の品質の安定化と「どこでも同じはおかしい、変だ」というごく普通の感覚と、どう両立させていくかが、これからのまちづくり、住宅づくりの中で問われていることだと思っています。
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この図は研究会で出てきた資料のひとつで、日本の中でどこがプレハブ住宅が多いのかを表したものです。これを見ると、岡山県が一番多くて、次に山口県、栃木県と続いています。何か理由があるのでしょうか。(会場より:工場が近くにあるところです)…そうでしたか、つまり生産地が近いという理由があるのかもしれません。 こうやって、図にしてみるとプレハブ住宅のシェアの偏在があることが分かります。その背景にあるのは、地域の住宅供給システムと関係があるのか、あるいは住む人の選択なのか、いろんな要因が考えられます。
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