ハウスメーカーのつくる住まいの風景
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サイディングボードを作った立場から

 

長浜(パナソニック電工)

 私が会社に入った27、8年前が、まさにサイディングボードの研究開発の真っ最中でした。当時のサイディングボードは、北海道で使うと凍結で膨れてくる欠点があり、それを押さえると今度は日照りの収縮があったりして大変でした。そうした欠点を乗り越えると、いろいろなメーカーや住宅メーカーで使われるようになったのです。

 先ほど、柄の話が出ていましたが、あれはコテで壁塗りをする人がつくる模様を真似て、星形などが作られるようになっていったのだと思います。やはり、施工が簡単なので広まったものだと思います。ハウスメーカーさんだけでなく一般工務店でも施工が簡単なことから使われていったのでしょう。

 話は変わりますが、最近私は、まちづくり支援とか景観のマネージメントの仕事をしています。いろんなお話を聞いていると、住宅団地の場合、それを買われる人はもともと良い町並みだから買うという、値打ちがあるから買うという人が多いようです。ところが、既成市街地の中で自分の家で建て替えなり何かをしようとするときは、「なぜ自分だけ頑張らないといけないの」という気分があるんじゃないかと思います。

 ハウスメーカーさんがみなさんにもっと啓蒙していって欲しいという話もありましたが、「契約がとれない」という状況を考えたら、小浦先生がおっしゃったように家の評価基準が変わって、「きちんと町並みに合わせないと恥ずかしい」という価値観を普及させないといけないんだろうと思います。そうしたところはハウスメーカーさんに頑張っていただきたいところです。

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