ハウスメーカーが進出してはいけない地域があるのでは? |
今日のお話を聞いていて思ったのですが、ハウスメーカーとプレハブメーカーって同じものですか?(山中:いえ、違います)。
外構や緑化の話の中で、地域素材や自然素材を使うのは多分プレハブでは弱い部分だろうと思っています。ところが、在来もプレハブと同じような形になってきているという話がでましたよね。
実感として、我われは開発団地なんかは非常によく出来た町並みだとは思うのですが、小浦先生の写真にもあったように、プレハブ住宅が入ってはいけない地域というのがあるのではないかと思っています。そういうところにプレハブがどんどん建っていくと、かえってプレハブメーカーの評判を落とす結果になって、「だからプレハブはダメなんだ」と言われかねないのではないでしょうか。メーカーさん同士で話し合って、「住宅の3割を超えない」というようなルールを作ってみたらどうかという気もするのですが。
我われエンドユーザーとしては、コスト、メンテの信頼性、居住の快適さでプレハブを選んでいるのですが、その家が景観にとってどうなのか、住民にとってどうなのかがすんなりと結びつかないように思います。
山中:
プレハブにしても在来にしても、我われハウスメーカーが共通してしているのは安全という品質保証をしていることです。それを何処の社も、前面に出しています。じゃあ、景観はと問われると、その地域で担当している人の力に頼らざるを得ないところがあります。商品の組合せの仕方によって、その地域に合うものは絶対あると思います。しかし、お客様の中にはその地域が持つ家の特性、例えば木造で漆喰、板張りがいいと思っている方ばかりじゃありません。だから、その地域をどう考えるかは、我われだけでなくお客様も含めて取り組む必要があるように思います。
木造で板張りでは寒いからというお客様に対して、今まで日本にはなかったパネルという技術をどう考えていくかということなんだと思うのですが。
小浦:
性能とは何かという問題があると思います。仮に夏も涼しく暮らしたいと思ったとき、地域によっていろんな選択がありますよね。高気密高断熱でクーラーをがんがんかける地域もあれば、前面窓を開けて風を通す地域もあり、いろいろあるんですよ。いろいろある中のひとつの性能を実現する方法として、プレハブメーカーが作っている技術があるのです。それがうまく合うところと、合わないところがあると思います。同様に、景観にもプレハブメーカーの住宅がうまく合うところと合わないところがあると思います。それは、その街がどの方向を向いているか、どのような資源ストックがあるかなど、いろんな要素の中での判断だと思います。
それをメーカーと地域とそこに住む人たちがどういう形で解決していくかが、今、山中さんがおっしゃったことではないでしょうか。メーカーが考えることもあるでしょうが、ゾーニングやエリア指定があるとすれば、それはメーカーだけの問題ではないですよね。そういうことは、ハウスメーカーだけでなく一般工務店、設計事務所、大手デベロッパーも含め、家づくりに関わっている人たちがちゃんと家をつくっているかということなんだろうと思うんですよ、今のご質問は。だから、その中でハウスメーカーの持っている特殊性は、ちゃんと顕在化させて、やっていいことと、いけないことをみんなで了解しましょうということが出発点だと私は思っています。