梅田北ヤード2期のグリーンパーク構想
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2 期グリーンパーク構想の理念

 

■グリーンパーク構想とは

 2期グリーンパーク構想の理念は、都市の誇りとなるオープンスペースを作るということです。

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 これは、イ・ミョンバクさんがおっしゃったということですが「都市のシンボルは高層ビルや高架道路ではなく、緑と水である。経済効率優先の都市づくりを脱却しよう。都市に自然との共生を実現しよう。水と緑に注目しよう。そのことが都市の価値と品格を高め、世界ブランドになる都市を作り、文化創造につながっていく」。

 特に、大阪駅前地区には多くの集積がございます。高層ビルや地下街が集積し、人工的な空間に人を集めるという発想で発展してきた街が大阪のキタです。だからこそ、駅前に豊かな緑と水を取り込んだオープンスペースを創り出すことが高い価値を持つのだということを訴えていきたいのです。太陽や雨、風など自然を感じる空間を回復して、知の拠点を、さらに緑の拠点に創造しようと考えています。


■グリーンパーク構想がもたらすもの

 具体的にはこの構想を大阪市長に訴えるため、グリーンパーク構想はこんなメリットをもたらすということをまとめました。

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 都心に自然を回復することで人間性の回復や生物多様性の確保がはかれますし、ヒートアイランド現象も減少させることができます。交流の広場もできますし、観光のシンボルとしてセントラルパークのように観光客の目当ての場所にすることもできます。

 また、防災の拠点として、震災時には帰宅困難者対応の場として8万人を収容できる避難地にもなります。

 ナレッジ・キャピタルは環境をテーマにしているわけですから、それを体現するシンボリックな空間を作って、環境ブランドを掲げたいところです。

 そして、グリーンパークの周辺は価値が向上し、いろんな施設やオフィス、住宅、ショップが集積してくることでしょう。

 こういう魅力がうまれ、世界都市大阪の市民が誇れる、また質の高い生活と経済の両立がはかれる、そういうグリーンパーク構想を考えました。


■グリーンパークの構成

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 グリーンパークの前提としては、3分の2以上を緑のオープンスペースとしますので、7ha以上。また、建物はオープンスペースの広がりを阻害しないヒューマンスケールの低層の建物で構成されます。これは延べ床21haまでの建物です。

 この二つの条件で構成される2期の街をグリーンパークと総称いたしました。

 2期は全体で17haあるのですが、道路や駅前広場をひくと、宅地としては10.5haになります。その3分の2以上をオープンスペースとしました。残りの3分の1、3.5haまでを建築敷地といたしますと、21haの延べ床というのはだいたい600%の容積に相当します。これは最初に都市計画決定された1期の800・600・600の容積率を念頭に、はじき出した数字です。


■グリーンパークの空間デザインの考え方

 グリーンパークの空間デザインは、駅前に近い方にまとまったオープンスペースを作り、水と緑と低層の建物が調和する空間にするということです。それが隣の1期や西側の地域ともつながって、広がりを持って自然を感じられる都市の中の自然を目指していく、そういった空間を考えました。

 また、ここが都心であるということから、イベントやお祭り空間にもなる賑わいの空間も確保することも考えました。

 こうした前提で空間デザインを考えて欲しいと、みなさん方にお願いをいたしました。特にヒューマンスケールということ、またオープンスペースは地盤面から歩いていける連続した外部空間(なだらかな起伏があってもいい)ということも付け加えています。

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