梅田北ヤード2期のグリーンパーク構想
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3 グリーンパーク構想 空間モデル図

 

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 これは、京都造形芸術大学大学院のチームの方々に作っていただいたモデル図です。

 なだらかな段丘が続きながら、その下に企業のパビリオンがあって、シンボリックなグリーンがあり、アートプロムナードで街をつないでいくという提案です。非常に意欲的で、オープンスペースをほぼ全域に近い10ha取っていただきまして、この中に延べ床21haの建物を配置しています。その建物が企業のパビリオンなどですが、民間の商業施設等も組み込んでいます。 特にオープンスペースのマネージメントに関して、市民がかかわり育てる民有公共という概念の提案が光っていて、私たちの関心を引きました。

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 これは、メディアフォーレストという大阪芸術大学大学院のみなさん方に作っていただいたモデル図です。

 真ん中が緑の森になっています。この回りに低層の建物が配置され、建物の中にはナレッジの研究施設が組み込まれています。森の中には、いろんな仕掛けの新しいメディア装置がくみこまれ、ICT技術をもって森の中でいろんな情報体験や交流ができる場、「メディアフォレスト」を作るという提案です。この案は特に西側地域とのつながりを重視し、建物の間にスリットをいっぱい入れて、周辺との関係を大事にするという考えで描かれています。

 ナレッジの趣旨に沿って、非常に先端的なイメージで森を作り出すという案です。単なるグリーンの集積ではないのだということが、魅力的な提案だと思いました。

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 これは、RIAのみなさん方が作って下さったモデル図です。この案では、北ヤードが関西再生をリードするという考えで、リニアターミナルを地下に抱き込んで、国際級のビジネスセンターや文化芸術のアトリウムなどを作り、その真ん中に緑を確保しています。緑のスペースから外側に向かって建物が高層になっているという構成です。

 絵に描かれているチューブというのがユニークな発想で、上下にうねりながら都市と自然を感じさせる空間を作っています。ここに関西のゲートウエイらしい「関西コンシェルジュ」や「関西スイッチ」といった観光情報機能を持ち込もうという提案です。

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 これは鳳コンサルタント・環境デザイン研究所の方々が作って下さった「大阪セントラルパーク」のモデル図です。ここでは緑と水を都市の中に大胆に持ち込んでいこうという提案をされています。駅前から北側のブロックにかけては、緑と一体となった何層にも重なる段丘型の建物群があります。上部はみどりで下部に商業施設、交流施設が入ります。またアグリカルチャーフィールドや生物の生息地を担保する水辺など、自然豊かなオープンスペースや関連施設なども盛り込み、北東の端に高層の住宅群を持ってくるという案です。住宅には高齢者向けの住宅で、高齢者が緑のフィールドを活用しながら癒される生活の提案もあります。

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 これはLYデザインの作品です。LYデザインとは、都市計画ランドスケープと安井建築設計事務所で組んだチームです。これは大阪の川にちなんで、「緑のリバーを作り出す」という魅力的な発想で提案をされています。このリバーはかなり深く掘り込まれていて、ちょうど駅の方から見ると、グリーンの芝生のリバーが北側に伸びていくように見えます。川の浜にあたる周辺部分にいろんな施設を作り大阪の新しい風景を作るというもので、施設には滞在型ホテルや文化ホールなどを提案していただいています。

 応募して頂いたこれらのモデル図はそれぞれに独創的で、若い人らしい新しい発想があるなと私たちは感心致しました。私は空間デザインの専門家ではないのですがどれも魅力的だと思いました。何よりも安心致しましたのは、私たちが考えていた「3分の2の大規模なオープンスペース」と21 haの建物とが見事に調和していたことです。私たちが提唱している緑と水のまちづくりは可能であるということを感じた次第です。ですから、これからも私たちは、多様なオープンスペースのあり方があるけれど、これからはこういう魅力あふれる街を作っていきたいのだとモデル図を披露して、イメージを共有して、いろんなところに働きかけていきたいと思っています。それがこれらのモデル図を作っていただいたみなさまに対する同友会の責務であると考えております。

 ただ、最後にはちょっとしんどいお話をしなければなりません。

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