ニューヨーク、ボストンの都市デザイン最新事情報告
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Media Facade

 

 これが最後のチャプターです。今ちまたでは、「建築が情報化している」という話がいろんな所で出てきます。

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121,122シンガポール
 
 これは、シンガポールのビルの昼間と夜の光景です。ドットになったり映像が映ったりします。

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123,124韓国
 
 韓国・ソウルのリノベーションビルでは、映像を映しています。

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125 Dexa Tower ブリュッセル
 
 こういう事が世界中のビルで起きています。日本はこういうビルは比較的少ないですね。建築コストが厳しいので、なかなか事例を見かけません。

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127,128ブロードウエイ/ニューヨーク
 
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129,130ブロードウエイ/ニューヨーク
 
 こうした世界的潮流の中、ブロードウエイで何を感じたかですが、実は私はニューヨークの方がこうしたメディア・ファサードがあるのではないかと思っていたんです。

 ここで一言付け加えておくと、メディア・ファサードとはサイネージではないのです。つまり広告ではない。建築の素材として電子化された光を使っているわけで、タイルやガラス、ウッドの代わりに電気を使っているということです。ですから何らかの情報を持っているけれど、広告ではないことが重要なんです。

 ところが、ニューヨークで見つけたのは、サイネージでした。本当にそれが凄くて、広告宣伝として最先端のLEDのビジョンが使われていました。それもインタラクティブに、歩いている人にフォーカスしてその人が映ったらその人がつままれてぽいと捨てられるといったお話仕立ての画像が仕込まれているのです。写真130はアメリカ空軍関係のサインでは国旗のサインになっています。広告宣伝としては動画として動いていて面白いんですが、しかしビル自身の照明効果というのはほとんど見ることができませんでした。

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132,133クライスラービル
 
 例えばクライスラービルは、1年のうちスペシャルな日にカラーチェンジしています。これは堂島大橋も同じ仕組みを持っています。東京タワーや今度出来るスカイツリーにも同じ照明効果が仕組まれています。しかし、それ以外にニューヨークではビル自身が光を放っている事例がなくって、さすがにアールデコシティだなあと感心してしまいました。

 写真133はクライスラービルを上から見た時のニューヨークの街ですが、私の想像とは全然違って非常に暗い印象でした。ビルそのものが光り輝いているというものがなくて、シックな光に満ちていました。

 都市そのものが持つアイデンティティというものがあると思いますが、じゃあ日本はこれからどういう方向で考えていけばいいのか。日本らしい明かりって何だろうというところから考えて、新しく作っていきながら大人の街の有り様を考えていきたい。それを今回のニューヨーク、ボストンへの旅ですごく感じました。私達も大人の街の有り様を目指していきたいと思うところです。ちょっとSAMURAI的な気持ちになったというところで、私の話を終わりたいと思います。

 ご静聴ありがとうございました。

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