バルセロナの概要 |
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バルセロナは「航空写真で街の歴史を語れる」のです。私がバルセロナに魅力を感じるのも、街の歴史、特に近代の都市計画の歴史が現在までの文脈の中でとても明確に分かることがあります。歴史の痕跡、エピソードが豊富にありますので、現在の空間が持つある種の論理的必然性を感じる瞬間が多いんですね。都市計画という社会技術は確かに力を持ちうるのだと、専門家として改めて感じることができるという意味で、バルセロナはとても魅力的な都市です。
バルセロナの人口は過去にいったん落ち込んだのですが、今はまた増加していて約170万人になっています。首都のマドリードに次ぐスペイン第二の都市です。市街地の構図は単純でして、リュブレガット川とベソス川という二本の川に挟まれ、北西の山系によって限定される空間が、大雑把ではありますがバルセロナの基本的な市街地となっています。観光で訪れるエリアは限られますが、実際の都市問題としては市の郊外部、あるいは市外に広がっていますので、近年の市による再生事業の多くは郊外部で実施されています。
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旧市街の真ん中には、観光客が必ず歩くランブラス通りという目抜き通りが貫いています(図6)。目抜き通りと言っても、パリのシャンゼリゼなどと比べるとこじんまりしていて、歩行者中心の空間です。非常にバルセロナらしい光景だなと思います。大道芸のメッカでもあります。また、バルセロナの魅力はガウディの建築や都市空間に限定されるものではありません。世界中の多くのファンを持つサッカーのFCバルセロナの本拠地でもありますし、バルという立ち飲み文化の存在、世界的に著名なフェラン・アドリアに代表されるようにグルメの魅力も大きいまちでもあります。こういう様々な要素で、バルセロナの都市の魅力が成り立っているのです。