姫路観光コンベンションビューローの活動 |
募集をかけましたら、すごくたくさんの人が駆けつけたそうです。50〜60人ぐらいが来て、「実際の修理の様子を見てもらうのも貴重な体験になるんじゃないか」とか「ヨーロッパの街では古い建物が修理をしていても当たり前だ」とか「今はチャンスなんだから、軽々しく発信せずに戦略的にやっていこう」など、たくさんの意見が出たそうです。
この意見交換会を経て、できたのが「観光開発ワーキングチーム」です(2010年10月)。意見交換会に参加された方で、具体的に何か動こうという人たちが集まり、ワーキングチームが3つできました。旅行商品の企画チーム、食・土産企画チーム、それから平成26年のリニューアルオープンを見据えた姫路の観光を考えるチームの3つです。
私はこの時点で旅行商品企画チームの会議に円卓会議の事務局として「取り組みを話してくれないか」と呼ばれました。一体何の会議だろうと思いながら話をしたのを思い出します。私のように、いろんな活動をしている人を会議に招いて、旅行商品、特に体験型の商品企画をされていたとのことです。
ここのメンバーは会社オーナー、企業ワーカー、NPOメンバー、ボランティアガイドなど様々で、もちろんコンベンションビューローのスタッフもメンバーの一人として活動しています。私は魅力発掘ワーキングチームから、楽しく参加させていただいています。
「お城の北東にあって戦災を逃れている野里の町並み」「日本で最初に幕の内弁当を作った姫路の会社」「日本一広い住所の本町68番地」「実は姫路はホルモンの聖地で肉がめちゃくちゃ美味しい」「工場地帯の夜はすごく綺麗、工場萌え」「新幹線は姫路駅をトップスピードで駆け抜ける」「伝統工芸品の匠がいる」「ジャコウアゲハとお菊虫という珍しい昆虫がいる」と、さまざまな切り口のテーマが出てきました。
たくさん出てきたので、まずは対象エリアを決めてまとめようということになりました。
最初の対象エリアに決まったのが、姫路駅から姫路城周辺までの間です。姫路城を訪れる観光客が駅からお城までの直線距離しか歩かなくてすぐ帰ってしまい、姫路の町を全然通らないということが前から言われていたんですね。特に観光バスに乗ってくる人なんか、本当にお城だけです。ですから、そういう人たちの姫路滞在時間を延長するため、まちの回遊性を高めていこう、そうすれば中心市街地の活性化にもつながるんじゃないかということで、ここのエリアに決めました。
メンバーの中には二人のまちあるきガイドがいて、その二人のプロの案内でこのエリアをみんなで実際に歩いて、フィールド調査を行いました。暑い中を歩いて、エリア内の魅力を発掘しました。
このように、歴史度とお城度のいろんなテーマに沿って9種類作成しています。歴史度とお城度の度合いが高い「中壕と門跡」「外濠」はみんながイメージする「姫路っぽい」ものですが、それだけではなくて歴史度の低い「建築」や、お城度が小さいレトロショップ、建築巡り、縁結びなど、いろんな魅力があるのが「よってくだん」のおもしろいところだと思います。
このマップの特徴は、市民やワーカーの手で姫路を掘り下げ、独自の切り口で発信していくことにあります。街中の魅力にいちばん詳しい、普段そこで生活している市民やワーカーが魅力を探してきました。それぞれの持つ「これ、面白い!」という感覚を大切に作りました。
また、そうした新しいまちなか散策をきっかけに、姫路のまち全体を元気にしていきたいという目的もあります。ここは姫路市の中心市街地ですから、ここが活性化したら姫路全体の活力アップにもなるだろうと思い、そのためにはこのエリアの回遊性が上がる仕掛けが必要だという思いもあります。
もちろん、最終的にはこうした地域の活動が姫路の観光集客につながってほしいという大きな希望もあります。