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農村風景と川


・源流

画像ha034 改行マーク(34)これは犬鳴山渓流の最下部にある岩渡りの滝です。 川の源泉となります。

[大阪府泉佐野市犬鳴渓流]

画像ha035 改行マーク(35)水の源はご存じのように山深い渓流部分から流れて、 いくつもの沢水を集積して、 水田や里山を経由し、 町から都市を通って海へと流れて行くわけです。 これはその源流です。

[大阪府泉佐野市犬鳴渓流]

画像ha036 改行マーク(36)里山付近の川の流れと防災を兼ねた壁が、 風景として滝を見せてくれます。

[京都市貴船川]

画像ha037 改行マーク(37)ここまで流れてくると生活との関わりが見えてきて、 川らしくなってきます。 この様に自然な川の流れの中で河石が丸くなっていくのが分かります。 この辺りから集落に入ってくるわけです。

[福井県足羽川]


・集落

画像ha038 改行マーク(38)これは日本の典型的な農村の河川の風景だと思います。 手前に、 洪水で堤防が決壊したということで、 コンクリートブロックを積んでいますが、 本来は両側に見えるような土の土手で、 しかもそこには草花があり、 魚や昆虫がそこに卵を生んだり、 育って、 蝶になりトンボになっていく。 この様な農村風景がそんな風物を育んできたわけです。

改行マークそれが手前に見えるコンクリートブロックによって、 そんな風景が失われていったというわけです。

[福井県足羽川]

画像ha039 改行マーク(39)また河川に沿って数本の樹木が見えますが、 ゆったりとした川の放線型と合わせているのがいいですね。

[福井県足羽川]

画像ha040 改行マーク(40)琵琶湖に近接する田園風景です。 そのなかで一本の川が農業用水の機能とあわせ、 風景の軸線景をのびやかに見せてくれます。

[滋賀県近江]

画像ha041 改行マーク(41)この様に農村における川というものが、 生産という大切なものを支えてきたわけです。 また漁業も以前は生活手段の大きな要素であり、 川は生きることの重要な場であったわけです。

[和歌山県白高川]

画像ha042 改行マーク(42)これは木曽川です。 画面中央に浮かんでいるのは木船で、 この船に乗って今も専業的に釣りをします。 木曽川の伝統的な釣業だと聞いています。 一方で家族で水遊びに興じたり、 川辺でバーベキューをしたりと、 川での遊びは多様にあるわけです。

[岐阜県木曽川]


・都市

画像ha043 改行マーク(43)その川が都市の内部に近づいてきますと、 鉄のかたまりの橋や、 河川敷をコンクリートでタタキ打ちしたハードで無機質な風景が見られます。 このタタキ打ちされた空間に増水時に上流からいろいろなものが流れ着き、 さながらごみ捨て場のようになります。 この写真は、 日本でももっとも水質の悪い汚れた川の代表と言われている大和川です。

[大阪府堺市大和川]

画像ha044 改行マーク(44)これは大阪の中心部にあります大阪ビジネスパークの街景です。 こうしてみると、 川を手前にもってくると硬質な都市の風景がやわらいでとても美しいものに見えることが分かります。

[大阪市大川]

画像ha045 改行マーク(45)これは淀川から海に接続して湾岸都市をつくる日本の大都市でよく見られる風景ですが、 ここまでくると川と人間との関係がほとんど失われてきています。

[大阪市大阪湾]

改行マークこの様に山岳地域から渓流部分、 農村集落地域を経て都市部に入り、 やがて海へと流れ込んでいくというプロセスを経て、 川を媒体とする日本独自の生活文化と川の風景というものはあるわけです。

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