ここでも下町環境のコンテキストを分析するために、 「impression」、 「pattern」、 「dimansion」の3つの要素を抽出しました。
「impression」とは、 その場面から感じられる直接的な印象や感想で、 例えば「居心地がいい」、 「面白い」、 「のんびり」、 「生き生きとしている」、 「美しい」などです。
「pattern」とは、 各場面で起こっている客観的な現象や空間の状態で、 「仮説的な商業空間」、 「安心して遊ぶ」、 「外でたたずむ」、 「静かな路地」、 「遠くから見える」などです。
「dimansion」とは、 実際の場面の空間の構造がもつ性格や特性で、 「所有などの関係が空間への働きかけを拒絶してない」、 「普段では思いつかない空間やものの利用がある」、 「様々な行動を可能にしてくれる空間がある」などです。
これらのデータを数量化3類分析した結果、 下町環境の都市像として次のようなものを挙げることができます。
まず、 日常生活空間の中にはっとして驚かされるような意外な場面と、 ほっとして安らぐような場面があること。 それらは少々身勝手で個人的な行為や逆に皆にあわせる協調的な行為といった人と空間の関係性によって生まれている。 そして、 各個人が自由に身の回りの環境に働きかけている様子は生き生きとしたまちの状態を生み、 コミュニティ的な働きかけはある種の規範性のようなものを感じさせる。
環境デザインのためのコンテキスト分析
このページへのご意見は前田裕資へ
(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai