これまでのテキスト分析では、 テキスト自身が客観的な評価を得ており、 そこで表現されているものが空間のある要素と考えています。 つまり、 テキストとは作者の主観的な表現の一つで、 主観的な要素の選択は、 客観性が損なわれるというよりも、 新たなデザインのための要素の取捨選択であると考えられます。 選択したものが広く理解されるかどうかが重要であるといえます。 よって、 空間をデザインする人ぞれぞれがテキストを収集することが必要であるといえます。
つぎに、 無作為に収集したテクストの中にあるコンテクストを探り、 空間の特性を知ることが必要です。
そして、 コンテキストを基に再び新たな環境デザインを考えることとなります。 そのためには、 例えば今回のような「impression」、 「pattern」、 「dimansion」等の各要素の関係性を明らかにすることが必要であると思われます。 また、 先にデザイン言語などを整理しておくことも重要と考えます。
以上、 景観からテキストを抽出し、 それらからコンテキストを分析することで再び環境をデザインする可能性のようなものが確かにあると考えられます。 そして、 このような試みが、 感覚的に評価される下町環境などの環境デザインには非常に重要であると考えています。
まとめ
1.景観を自らテキストとして収集する。
2.そのテキストからまちのコンテキストを読みとる。
3.コンテキストを基に環境デザインを考える。
参考
「身近な情景のテクスト分析とその密集市街地整備計画への適用の可能性」福田忠昭、 鳴海邦碩、 久隆浩 日本建築学会近畿支部1997
注
1)kampung、 インドネシアの集落、 庶民の一般的な居住地
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