そして、 その写真について「なぜ気に言ったのか」ということを、 IMPRESSION、 PATTERN、 DIMENSIONという3つの尺度で点検し、 記述してから、 何人かの人にそれを確認してもらうという作業を行いました。 それを今度は、 コンピュータによって、 その関係をどう重みづけていくのかという作業を行って、 先ほどのマトリックス状の関係がみえてきたというわけです。 なぜ、 ある景観とある尺度が関係が強いのかということはあとで説明するしかないのですが、 そういう強い関係、 弱い関係というネットワークが生まれてきたというものです。
いろんな読み方があるわけですが、 ここでは、 実際の空間、 ある情景を創り出すシュミレーションとして、 ある空間にどういう条件が備われば、 そういう情景が生まれることと関係が強いかということを3つの尺度を組み合わせてやってみたわけです。
いくら同じように作っても住む人が違えば、 全然違う風景が生まれてきてしまうのは当然のことです。 しかし設計として検討していくためには、 受けた印象を軸において、 DIMENSIONという空間の構成の仕方に着目しながら、 関係をさぐっていくことが必要です。 例えば、 あるイメージ、 印象を作るにはどうしていったらいいか。 そのイメージの連鎖の中でその仕立ての手がかりが見えるのではないかという、 そういう作業をやってみました。 分かりにくかったかもしれませんが、 私どもが空間や情景にどういう印象を持つかということは、 なかなか人に説明できないわけです。 その印象が、 一体なにゆえに生まれているのかということを言語化し、 例えばこれとこれが関係しているということを伝達していく。 自分でもそれを設計に反映させながら、 フィードバックしていきデザインを深めていく道具に使えないかという、 そういう操作的なことをやってみたわけです。
先ほど述べました、 自らこういうイメージを持ったときに、 どうやってその中から自分のコンテキストを発見し表現するか、 あるいはそれを伝達できるかという、 それに挑戦してみた作業の1つとして紹介させていただきました。
予告にありますように、 材野先生も、 1996年の建築学会のテキストの話の同じ会に出ていらして、 その時の雰囲気もご存じです。 そこで、 材野先生からコメントをいただき、 みなさんとのディスカッションに移りたいと思います。
質 疑 応 答
身近な情景からのテキストの抽出について
鳴海邦碩
作業について
福田さんはこの抽出作業で、 まず大阪とインドネシアの下町で気に入った写真を撮りまくりました。
テキストの読み方
これを、 先ほどの私の話と重ねあわせて説明しますが、 自分で好きだと思って撮った写真がテキストだとすると、 そのテキストをどうやって読むかという問題になります。
課題
今日の説明にありましたように、 生まれてきた言葉にわかりやすさがあるかということと、 たどっていく道筋がもう少し分かりやすく表現できないかという、 発展させていかなければならない課題や乗り越えなければならない課題が色々あろうかと思います。
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