|
写真46(芦屋・緑のタイルの家)
|
|
写真47(えぐられた構造的空地空間)
|
芦屋山手町にある個人住宅では、 周辺の家が皆、 大きな塀に囲まれていて、 生活の彩りがいまひとつ感じられないという状況でありましたので、 道に直接顔をだしているような家を考えました。少しハッとするような色気が欲しいところでしたし、 もっと自然の移ろいを感じさせるような建物にしたいとも思ったのです。
そこで、 刻々と変わる空の色の変化によって表情を変えるような施釉のタイルを開発し、 外壁に使っています。
春夏秋冬、 朝昼晩、 晴天曇天雨天、 と常に刻々と微妙に表情が変わるという建物で、 それが周りの人々にも気づいてもらえるという住宅です。
四角い箱の一部を外部に吹き抜けている内部構造化されたテラスで切り取り、 えぐれた内部は全面ガラスにしていますので、 外からは壁面が多いようにみえるけれども、 内部からは開放的で、 素晴らしい眺望が得られる構造になっています。
|
写真48(夙川・高塚町の家)
|
|
写真49(夜景)
|
芦屋の東端に位置する高台の住宅では、 内部に構造化された吹き抜け空間(玄関・廊下)が内外を連続させる効果を持つようになっています。梁のないスラブと壁だけで構成された居間等の空間は、 前面ガラスの開口を通して実際の面積以上の気持ちの良い空間を感じさせます。
西に面しているこの住宅では、 最上階は開けた眺望を、 前に住宅が面する寝室や和室では、 間に和紙をはさんだガラスブロックで、 断熱と採光、 プライバシーを処理しています。
通風は、 サイドから確保出来るようになっています。
最近の住宅地は、 夜、 暗くて寂しすぎるので、 まちに明かりを提供する狙いもあるのです。
この住宅はもうすぐ竣工します。
|
写真50(大山・溝口の山荘)
|
大山のふもとにある山荘では、 北側に谷を望む細長い敷地に、 谷に面して南北に抜ける大きな開口をつくり、 素晴らしい借景と谷からふきあげる心地良い風、 水の音が楽しめるようにしました。この空間を鳥や蝶々が通り抜けていきます。
冬の晴天時には、 ガラス戸を閉じればサンルームに早変わりするのです。
その場所のもっている環境条件に対応して、 その場所だから実現できる生活環境を作っていくことが環境デザインとしての視点でしょう。
|
写真51-今田町四斗谷の家-
|
立杭焼きで有名な今田町の奥の、 山の斜面に現在工事中の家は、 2本の柱で支えられた空中に浮いている住宅です。平地が全くない傾斜地ですが、 できるだけ土をいじらずに、 水や空気の流れも変えないように考えた結果です。
ここでも、 南の素晴らしい眺望や通風といった自然と共生しながら、 ここにしかないような住環境を創出しようとしているのです。
前に 目次へ 次へ
このページへのご意見は前田裕資へ
(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai