わが国では土地を扱う場合、 必ず「行政」が関与します。 特にオープンスペースについては、 行政の意志があって、 それを「計画」的に展開して、 そして実体的なものに落としていきます。
我々の役割のひとつに行政支援部隊というものがあります。 それぞれの行政が、 制度とか、 補助とか、 色々なものを持っています。 それに対して、 全体的土地の使い方を見据え、 その事業対象、 計画対象に対してどういうふうに手法をあてはめていくのか、 どう展開していくのかを、 行政と一緒になってものを考えていくのもランドスケープデザインの一分野です。 そこでのアウトプットは文章、 図式、 表といったものがまとめられます。 そこから、 さらにまちづくりという実際の土地を見据えた計画に入っていき、 最終的なデザインアップする以前の土地利用の企画や計画がなされていくわけです。
江川さんも建築の側から都市計画をやられているとおっしゃっていましたが、 ランドスケープデザインも、 オープンスペース、 緑、 自然を基盤としながら、 都市計画をやることになります。
さらに、 本来一番重要なのが、 図1の一番下に書いています「生活」とか「行動」とかのユーザーの行為です。 これは、 造るということを、 個人的な作家感覚でとらえるか、 一般の人たちの生活を対象としてとらえるかの違いになります。 オープンスペースでは、 どういうような人たちを、 どう快適にするのか、 ハッピーにするのかということを考えた上での上質なデザインが要求されます。
今まで述べてきたことをまとめますと、 今展開しつつある、 今後完成させなければならないオープンスペースを、 科学性、 合理的知性と、 感性とを融合させ、 バランスさせていくということが課題であると思います。
ランドスケープデザインの構成
行政と計画と生活
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