芦屋は、 もともと小さなまちですから、 仮設住宅が比較的まとまっていました。 その中でも南芦屋浜の対岸の高浜町に最終的には仮設が統合されるという話があり、 いってみれば、 水をはさんだ向かいの人たちがここに来るんだということが分かっておりました。 そういう人たちは、 ただでさえ高層住宅に住むことに恐れがあるうえ、 海上にとばされるんじゃないかという非常に不安な気持ちでおられるはずです。 だから事前にワークショップをして、 コミュニティデザインのようなものをスタートできないかと思い、 「そういうものと絡めてやったらどうでしょうか」という提案をさせていただきました。
では、 どうやったらそれができるんだとなると、 これはもう私どもにできることではありません。 幸い、 小林さんのことがすぐに頭に浮かびまして、 とにかく小林さんにお願いをしに行きました。 小林さんは、 「コミュニティのワークショップが本当にできるのであればやってもいいよ」と言われまして、 そこから後は、 小林さんに、 企画立案、 人選までお願いしました。 その中で橋本さんが登場されたということです。
兵庫県、 芦屋市はアートにはすぐOKを出したらしいのですが、 コミュニティのワークショップはちょっと問題だったらしいのです。 全公営住宅の中での位置づけをどう考えるのかということがありまして、 実はこれがかなり難航しました。 そのあたりは、 小林さん、 あるいは大和田さんの方からあとでお話をいただきたいと思います。
橋本さんに入っていただいたのはいいのですが、 金がない、 時間がない、 一体誰がどういう予算で、 どういうことをするのかさっぱり分からない。 でも時間だけはどんどん迫っているという状況でした。 設計は設計で、 外構は外構で、 現場は現場で進んでいるという中で、 しかも、 コミュニティ&アートですから期待していたこととはいえ、 屋外と密接に関わるコミュニティ型の造形デザインが提案されてくるわけです。 現場もしっちゃかめっちゃかになったというのが実情です。
アート導入の提案
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